通信制高校を卒業したら就職にどう影響するのかは、通信制高校に進学希望の人や通信制高校に在籍中の人が気になる問題です。今回は通信制高校を卒業した場合の、就職への影響や履歴書への書き方、在学中に取り組んだほうがよいことについて考えてみましょう。

履歴書や面接で「通信制高校卒業」と伝えないとダメなの?

通信制高校を卒業しても「通信制高校卒業」とあえて書く必要はありません。
しかし、履歴書で言及しなくても、面接の際に聞かれることもあります。「通信制高校卒業だとイメージがよくないかも」などと思っていても、通信制高校卒業であることは素直に伝えましょう。あたりまえ過ぎるかもしれませんが、嘘をつくことの方が印象を悪くします。
また、面接官が通信制高校に関する知識を十分に持っていない場合もあります。通信制高校卒業であることを伝えるだけでなく、通信制高校を選んだ理由や取り組んできたことなども答えられるようにしておくと、面接がスムーズに進むでしょう。

通信制高校を選んだ理由を聞かれたときの答え方

・資格取得や芸能活動、スポーツとの両立など、目的があった場合

最初から明確な目的があり通信制高校を選んだ場合は、その点を面接官に伝えましょう。あるいは、在学中に何か目的や目標ができた人も、どのような経緯で目的や目標を見つけ取り組んでいったかなど、自分の経験を話せるようにまとめておくことが大切です。

さらに拘束時間の短さなど具体的なメリットを挙げることで、より明確な説明ができます。

・アルバイトなどと両立していた場合

通信制高校はアルバイトと勉強を両立しやすい環境です。そのため、なぜアルバイトをしたのかを説明しましょう。また、アルバイトで得た経験や学んだことを整理しておけば、アピールポイントとして答えることもできます。

通信制と全日制で高校卒業資格に差はあるの?

通信制高校は全日制高校と比べて卒業資格の面で劣っているのではないかと思う方もいるかもしれませんが、心配しなくて大丈夫です。全日制・定時制・通信制は同等の卒業資格なので、どの高校を卒業した場合でも学歴は高校卒業となります。

でもイメージが気になる……通信制高校に通う人が増えているって本当?

文部科学省の調査結果を見ても、通信制高校の生徒数は増加の傾向にあります。
全日制もあわせた高校生全体の生徒数が平成元年にピークを迎えたあと、少子化などの影響で減少し続けているのに比べ、通信制高校の生徒数は緩やかに増加しています。このデータから、高校生の全体数に対し通信制高校の生徒が占める割合は、30年前に比べると上昇していることがわかります。
全日制高校は毎日決まった時間に学校に通い、集団で授業を受けなくてはいけません。しかし、人によっては毎日学校に通うことが難しい人や集団生活が苦手な人などもいます。また、現在は進路も人によってさまざまです。
このような背景から、選択肢のひとつとして通信制高校を選ぶ人は増えていると考えられます。
通信制高校に対してネガティブなイメージを持つ人の意見を耳にして心配になる人もいるかもしれませんが、通信制高校に通う先輩の声を聞くと世間のイメージとのギャップを感じることができます。詳しくは以下のページをご覧ください。

>>「通信制高校に対するイメージが気になる……。実際はどうなの?」

通信制高校は就職で不利になるの?

通信制高校卒業後に就職する人の割合は?

就職する人の割合は約5人に1人です。この割合は、全日制高校を卒業した場合とほぼ同じです。
通信制高校卒業後の進路は、大学進学・専修学校(実践的・専門的な技術教育をおこなう教育機関で、専門学校などもこれに含まれる)進学・職業訓練など、就職以外にも複数の選択肢があります。一方で、進路が決まらないまま卒業する人も少なくありません。

通信制だからこそ資格取得する時間を作りやすい

全日制や定時制の場合、教室で授業を受けるスタイルが中心になるため、拘束時間が長くなります。一方、通信制高校はレポートによる学習が中心のため、拘束時間が短い点がメリットです。また、学習のペースも自分で決めることができるため、資格取得と両立しながら勉強に取り組むことができます。
さらに、学校によっては資格取得をサポートする仕組みがあったり、学校自体が専門的なスキルを扱っていたりする場合もあります。
就職したい仕事をある程度絞れているなら、その仕事に必要な資格やスキルを取得することは就職活動の武器になります。自分が必要だと感じるものに時間を割くことができるのは、通信制高校の強みです。

それぞれの就職先をみすえた過ごし方が大切

通信制高校に限ったことではありませんが、目指したい進路が決まっているなら、そこへ向けて準備を整えていくことが大切です。最初から進路を絞るのは難しいかもしれませんが、興味のある分野をチェックするなど、少しずつ準備をしていきましょう。
また、具体的に進路を絞っていくことで就職活動の対策もしやすくなります。目指している分野に関係する資格を取得する、就職したい業界に関わりあるところでアルバイトをするなど、就職に必要な足がかりを作っていきましょう。