ネット高校では、パソコンやスマートフォン、タブレットを使ったネット授業の視聴を中心に学習を進めます。最近では、ネット授業を受けられるさまざまなオンライン学習サイトやアプリケーションも登場しています。新型コロナウイルス感染症流行の影響で、公立の中学校・高校でもネット授業が取り入れられるなど、ネット授業は身近なものになりつつあるといえるでしょう。
今回は、そんなネット授業の特徴や、学習内容をしっかり身につけられる受け方、ストレスなく集中して学べる環境の整え方について解説していきます。
通信制高校のオンライン(ネット)授業とは?
通信制高校は、レポートやテストなどを通して主に自宅で学習し、高卒資格の取得を目指す学校です。通信制高校のなかでも、ネット授業を中心に学習を進めるコースは「ネットコース」「WEBコース」などの名称で呼ばれています。オンライン授業とは、その名のとおり、生徒がオンラインで授業を受ける形式のことを指します。
明聖高校を例に挙げると、明聖高校のWEBコースには「サイバー学習国」という学習コンテンツがあります。サイバー学習国は、各自がオリジナルのアバターを作成して、先生や同級生とのコミュニケーションを取るバーチャルスクールです。動画授業を視聴して、選択式や記述式の「サイバーチェック」に回答することで学習を進めます。レポート提出はすべてWEB上で完結するため、登校は年に4~6日程度で済みます。動画授業は、単に授業をインターネットで同時配信するのではなく、経験豊富な教員が作成したオリジナル授業で、わかりやすく飽きない内容になっています。
明聖高校のWEBコースについて、詳しくはこちらをご覧ください。
WEBコース|通信制高校(千葉・中野)|明聖高等学校
通信コースとの違い
明聖高校には、WEBコースのほかに「通信コース」も設けられています。スクーリングは月2回金曜日で、年間の通学日数は約20日となっています。WEBコースよりもスクーリングの回数が多いため、わからないことを先生に直接相談したいという人におすすめのコースです。学習方法は、各科目の教科書や副教材などを使って自ら学習し、課題に回答していくのが基本です。年間で決められた回数のレポートを紙で提出すると、担当教諭が添削・アドバイスを記入して、後日生徒に返却するという方法で学習を進めていきます。
明聖高校の通信コースについて、詳しくはこちらをご覧ください。
千葉本校-通信コース|通信制高校(千葉・中野)|明聖高等学校
オンライン(ネット)授業は2種類
ネット授業には2種類の形式があります。ここでは、それぞれの特徴やメリットについてお伝えします。
オンデマンド
オンデマンドとは、「必要に応じて」という意味をもつ言葉です。オンデマンドのネット授業とは、事前に収録、編集された動画を見ながら、好きなタイミングで学習できる形式のことをいいます。すでに完成している動画を視聴するため、自身の都合に合う時間に学習できることはもちろん、よくわからなかった部分を繰り返し確認することも可能です。
ストリーミング
ストリーミングとは「流れる」「絶え間なく続く」という意味をもつ言葉で、生配信・ライブ配信とも呼ばれます。実際の授業と近い形式で受講できるため、質問や意見交換をすることが可能です。一方で、配信時間が固定されるため、実際に通学して授業を受けるときと同様、都合を合わせて受講する必要があります。
【オンライン(ネット)授業のメリット】時間や場所を問わず学習でき、理解も深めやすい
ネット授業の特徴として、次のようなメリットを得られることが挙げられます。
好きなときに、どのような場所でも学習できる
決まった時間に学校に通う必要がなく、いつでもどこでも、自分のペースで学習できるのがネット授業の特徴です。この理由から、ネット高校は不登校から学校復帰を目指す人をはじめ、スポーツ活動や芸能活動、仕事と学業を両立している人、病気の治療をしながら高校卒業を目指す人などに選ばれています。
また、学校のキャンパスから遠く離れた地域に住んでいる人や、災害や感染症流行の影響で登校できなくなった人でも学習を続けられるというメリットもあります。
教科書や参考書より理解を深めやすい
自主学習をする際、教科書や市販の参考書など紙の教材を使った学習方法よりも、ネット授業のほうが理解を深めやすいことがあります。
ネット高校のなかには、単純に授業を録画したものを配信するのではなく、自主学習でも飽きずに学べるネット授業を制作・配信しているところもあります。例えば、板書にアニメーションを加えたり、実写の資料映像や実験映像を組み合わせたりといった工夫は、ネット授業ならではです。さらに、授業内容でわからないところがあれば、動画を巻き戻して繰り返し見直せるのも、ネット授業の強みだといえます。
チャットなどで先生や友だちと交流できる
多くのネット授業では、授業を視聴するだけでなく、その前後に先生や友だちとチャットなどでコミュニケーションを取れる機会が設けられています。一人での自主学習に不安を感じたときには、先生や友だちが力になってくれるでしょう。
また、先生に学習や日々の生活について相談する際、対面よりチャットのほうが、人目を気にせず気軽に悩みを打ち明けられるという意見もあります。
【オンライン(ネット)授業のデメリット】ICT環境の整備ややる気の維持、健康面での注意が必要
一方、ネット授業には注意しておきたいデメリットもあります。
デジタル機器や通信の状況に左右されやすい
パソコンやスマートフォン、タブレットといったデジタル機器の性能・状態や、インターネット通信環境の影響を受けやすいのは、ネット授業の難点です。これらに不具合があると、学習に支障が出る恐れもあります。
強制力や監視の目がなく、自主学習への強い意志が必要
いつでもどこでも学習できるというネット授業のメリットは、裏を返せば、学習に対する強制力がなく、なまけてしまいやすいというデメリットにもなります。学習するためには、自ら進んでネット高校のコンテンツを開こうとする、強い意志が必要です。また、ネット授業の視聴中も、監視の目がないためになかなか集中力を保てないという声も聞かれます。
不適切な視聴方法だと健康を害する恐れがある
また、長時間にわたってネット授業を視聴していると、目の疲れや肩こりなどの不調につながる恐れもあります。
オンライン(ネット)授業を快適に受けるには?環境の整え方や便利なグッズも紹介
ネット授業のデメリットをできる限り軽くし、よりメリットを感じられるようにするためには、次のような工夫が効果的です。
デジタル機器や通信環境の整備
デジタル機器
まず、パソコンやタブレット、スマートフォンの性能(CPU、メモリなど)やOS(Windows、Android、iOS、Mac OSなど)のバージョンが、受けるネット授業に対応しているかどうかを確認しましょう。OSは、セキュリティの観点から常に最新のものにしておくことも大切です。
通信環境
通信環境としは、ポケットWi-Fiや、光回線、ケーブルテレビによるネット回線などが利用できます。いずれの場合も、ネット授業の動画をスムーズに視聴できるような速度・容量のプランを選びましょう。一般的に、速度は10~30Mbpsあればストレスなく通信できるといわれています。容量は無制限のプランが安心です。
また、自宅に設置したWi-Fiがネット授業を視聴する部屋まで届きにくい場合には、家電量販店などでWi-Fiルーターや中継器を購入してみてもよいでしょう。
各種ソフトやアプリケーション
学校によっては、ネット授業用のアプリケーションのほか、チャットツール(Slackなど)やWEB会議ツール(ZOOMなど)を利用する場合もあります。アプリケーションのインストールに加え、アカウントの作成も必要です。
その他のデジタル機器
教材を印刷するときに備え、プリンターもあると便利です。
また、リアルタイムでネット授業・面談を受ける場合、パソコンやスマートフォンに内蔵されているカメラやマイクに不安があれば、WEBカメラやヘッドセットなども準備しておくとよいでしょう。
学校の推奨環境に合わせて選ぶ
学校によって、授業配信の形式はさまざまです。視聴するだけの場合もあれば、学校独自のシステムを使ってレポートを提出する場合などもあるでしょう。学校から特定の機器、通信環境を推奨されている場合は、それに従うことで学習が進めやすくなります。新たに購入する場合は、事前に学校の推奨環境を確認するようにしましょう。
学習のやる気や集中力を保つための工夫・環境づくり
自宅で集中してネット授業に取り組める環境づくりも大切です。自分の部屋の勉強スペースを整えたり、あえて家族の目が届くリビングで学習したり、自分に合った学習環境を探ってみましょう。また、ネット授業での学習には周囲の協力も不可欠です。家族にも事前に相談しておきましょう。
加えて、学習習慣を身につけることでも、やる気や集中力を保ちやすくなります。やみくもに勉強するのではなく、「いつまでに、どの範囲まで勉強する」といった目標を立て、スケジュールに沿って学習することで、気持ちのメリハリをつけましょう。先生や友だちと積極的にコミュニケーションを取ることも、モチベーションアップにつながります。
健康を損なわないような学習スタイル
ネット授業を視聴する時間や学習の姿勢に気を付けて、目や体が疲れないようにしましょう。例えば、視聴中には画面に近づきすぎないようにし、ネット授業を1つ視聴するごとに席から立ってストレッチをする、といった方法が有効です。必要に応じて、ブルーライトカット眼鏡やタブレットスタンドなどのグッズを活用するのもよいでしょう。
まとめ
ネット授業は、学習環境を整えて適切な方法で視聴すれば、対面授業と同じくらい、しっかりと学習できます。周囲の協力も必要になるため、家族ともよく話し合っておきましょう。もし、ネット授業を受けるうえで少しでも心配なことがあれば、ネット高校の先生が相談に乗ってくれるはずですよ。
参考URL:
WEBコース|通信制高校(千葉・中野)|明聖高等学校
千葉本校-通信コース|通信制高校(千葉・中野)|明聖高等学校
ネット高校のネット授業はどう受ければいい?ストレスなく集中して学べる環境の整え方
明聖高等学校は、千葉・中野にキャンパスを構える通信制高校です。全日コース・全日ITコース・通信コース・WEBコースに分かれており、一人ひとりに合わせた高校生活を過ごすことができます。