サポート校は通信制高校の塾のような立ち位置にあり、正式な高校ではないため、高校卒業資格を取得できません。しかし、通信制高校よりも柔軟なカリキュラムを組める分、自分に合った教育を受けられる可能性があります。
今回は、通信制高校とサポート校の違いと、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。通信制高校の代わりにサポート校を考えているのであれば、本記事を読んであらためて進路を考えてみてください。
通信制高校とは|通信教育で高校卒業資格の取得を目指せる高校
通信制高校とは、通信教育を通じて高校卒業資格の取得を目指す学校です。学校教育法第1条に定められた一条校に該当するので、法律にしたがってカリキュラムが組まれます。
つまり、同法律で定められた卒業要件を満たせば、高校卒業資格を取得できる学校です。
出典:高等学校通信教育の現状について|文部科学省
全日制高校とは違って、自宅学習やオンライン授業を中心に学習を受け、レポート提出と試験をクリアすることで、高校卒業資格の取得に必要な単位を修得していきます。
通信教育が主体なので登校日数は少ないものの、スクーリングと呼ばれる対面指導もあります。
スクーリングの頻度は学校やコースによって異なりますが、例えば、明聖高校のWEBコースは年に3~4回程度となっています。
関連記事:通信制高校とは?全日制・定時制の違いなどわかりやすく解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校
WEBコース|明聖高等学校
サポート校とは|通信制高校の卒業をサポートする塾のようなところ
サポート校とは、民間が運営する通信制高校の塾のような教育施設です。一般的に、学習塾や予備校、専門学校などが運営するケースが多くなっています。
通信制高校と比較されることが多いものの、サポート校は一条校ではありません。一条校とは日本の学校教育法第1条に基づいて設置された正式な学校のことを指します。具体的には、小学校・中学校・高等学校・大学・特別支援学校などが該当します。
サポート校は一条校ではないため、卒業しても高校卒業資格は取得できません。
ただし、一条校ではないからこそ、自由なカリキュラムを組める魅力があります。例えば、美容やファッションに特化したコースを設置して、専門的な知識や技術を学べる環境を整えているサポート校もあります。
このように、サポート校は通信制高校の学習やレポートをサポートするだけではなく、生徒の趣味や特技を伸ばす教育を受けられるのが特徴です。
参照:教育基本法の規定の概要(学校教育について)|文部科学省
通信制高校とサポート校の違い
通信制高校とサポート校の大きな違いは、一条校であるかどうかです。この違いによって、高校卒業資格の取得可否や運営形態、学費などにも違いが生まれます。
サポート校だけでは高校卒業資格を得られない
高校卒業資格を取得できるかどうかが違います。
● 通信制高校:高校卒業資格を取得できる
● サポート校:高校卒業資格を取得できない
サポート校は一条校ではないため、高校卒業資格を取得できません。
そもそも、サポート校の本来の役割は、通信制高校の卒業をサポートすることです。そのため、基本的には通信制高校とサポート校の両方に通う人が多くなっています。
ただし、その分学費がかかる点には留意が必要です。
なお、「学習の遅れを取り戻したい」「高卒認定試験を受ける予定がある」などの目的で、サポート校だけに通う人もいます。サポート校で自分のペースで必要な学習をして、高卒認定試験に受かれば、高校卒業資格がなくても大学や専門学校を目指すことが可能です。
公立のサポート校はない
通信制高校は一条校であるため、国や自治体が管理する公立の学校があります。
一方、サポート校は一条校ではないため公立がなく、すべて私立です。そのため、サポート校の運営は、塾や専門学校などを経営する民間企業が多くなっています。
サポート校は学費がやや高め
先述したとおり、サポート校はすべて私立であるため、公立の通信制高校と比較すると費用が高くなります。
通信制高校とサポート校の両方に通うケースでは、二重に学費がかかるため、その分学費が上がります。
通信制高校とサポート校のメリット
通信制高校とサポート校のメリットを整理してみました。
通信制高校のメリット | サポート校のメリット |
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・高校卒業資格を取得できる ・時間や場所に縛られず、自分のペースで学習を進められる ・通学負担が小さい・公立であれば学費が安い ・アルバイトや芸能活動などと両立しやすい ・人間関係によるストレスを回避しやすい |
・自由度の高い教育を受けられる ・通信制高校の卒業に向けた学習サポートを受けられる ・通学習慣が身につくため生活リズムが整いやすい |
通信制高校のよさは、自分のペースで学習を進められるところにあります。なんらかの理由で学校に通えない人でも、高校卒業資格を取得することが可能です。
しかし、なかには「自分一人では学習を進められない」という人もいるでしょう。「オンライン授業だと理解しにくい」「レポートを進められない」など、通信制高校ならではの悩みの解決をサポートしてくれるのが、サポート校です。
通信制高校とサポート校のデメリット
通信制高校とサポート校のデメリットを整理してみました。
通信制高校のデメリット | サポート校のデメリット |
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・自分で学習を進める力が必要 ・通信教育だけでは理解しにくい学習もある ・学校行事や友人との交流の機会が少なく、孤独感を覚えやすい ・社会性や協調性を養う場面が限定される |
・高校卒業資格を取得できない ・費用が高めに設定されている ・通学が必要なため通学負担が大きい ・時間の自由度が下がる |
通信制高校は、自宅にいながら高校卒業資格の取得を目指せるというメリットが、人によってはデメリットに感じる場合があります。
サポート校はカリキュラムの自由度が高い一方で、通学が前提となっているケースがほとんどです。毎日登校が必要な分、自由度が下がります。
通信制高校とサポート校で迷ったときは?向いている人の特徴
通信制高校とサポート校で迷っている人は、進学の目的を整理することが大切です。例えば「高校卒業資格を取得したい」「自分の特技を伸ばしたい」というように、目的が明らかになると、それに合わせて進路を選択できます。
ここでは、両者のメリットとデメリットを踏まえて、通信制高校が向いている人とサポート校が向いている人を紹介します。
通信制高校が向いている人
通信制高校に向いている人の特徴は、次のとおりです。
● 自分のペースで学習を進めたい人
● 高校卒業資格を取得したい人
● 高校に毎日通うのが難しい人
● 部活やアルバイト、芸能・スポーツ活動と学業を両立したい人
● 学校の人間関係のストレスを減らしたい人
第一に「高校卒業資格を取得したい」という目的がある人は、通信制高校を含む高校への進学が必須です。そのなかでも、自分のペースで卒業を目指したい人には、通信制高校が適しています。
サポート校が向いている人
サポート校に向いている人の特徴は、次のとおりです。
● 通信制高校の学習をサポートしてほしい人
● 自分だけで学習を進めるのが難しい人
通信制高校で高校卒業資格の取得を目指したいものの、自分の力だけでは学習を進められないという悩みは多いものです。そのため、学習サポートを受けながら、確実に通信制高校を卒業したい人にサポート校は向いています。
サポート校のみに通いたい人は、サポート校での学びを将来どのように活かしたいのか、そのために専門学校や大学に進学する必要はないか、といった視点で考えを整理してみてください。
将来的に進学を選択する可能性があるなら、通信制高校へ進学して高校卒業資格を取得するか、高卒認定試験の合格が必要です。どちらが自分に合っているかも含めて考えると、選ぶべき進路が見えてくるでしょう。
手厚い支援がある通信制高校ならサポート校に行かなくても大丈夫!
サポート校は次のように、手厚い支援を受けられる場合が多く、人気を集めています。
● 一人ひとりに合ったカリキュラムを選択できる
● 手厚いサポートを受けられる
● カウンセラーによるメンタルサポートがある
ひと昔前の通信制高校は、高校卒業資格を取得するためだけの学校というイメージが強く、サポートが薄い学校もありました。これを補うためにサポート校が誕生したので、手厚い支援があるのもうなずけます。
しかし最近は、通信制高校のなかにも、サポート校と同様に手厚い支援を受けられる学校が増えてきました。
千葉県に本校を置く明聖高校は、手厚いサポートを受けられる通信制高校です。
中学校の学び直しから大学受験まで、個人のニーズに応じた幅広い学習サポートはもちろん、常駐カウンセラーやカウンセリングの資格をもつ先生たちによるメンタルサポートなどを受けられます。
また、自宅からオンラインの学校にログインしてマイペースに学べるWEBコースのほか、全日制高校のように毎日学校に通って高校生活を楽しめる全日コース、イラストやデザインの専門技術を学べる全日デザインコースなど、多彩なコースを用意しています。
サポート校と変わらない、またはそれ以上の手厚いサポートを通じて、一人ひとりに合ったカタチの教育を提供します。
興味があれば、ぜひ一度遊びに来てみてください。
まとめ
通信制高校とサポート校の大きな違いは、高校卒業資格を取得できるかどうかです。
サポート校は、通信制高校で高校卒業資格の取得を目指す人や高卒認定試験の合格を目指す人に対して、必要なサポートをおこないます。最近では、柔軟なカリキュラムを提供して、より個人に合った教育を提供できるよう工夫するサポート校も増えてきました。
サポート校にだけ通いたいという場合は、今一度その目的と将来のビジョンを整理しましょう。そして、大学や専門学校に進学したくなる可能性を踏まえて、サポート校と高卒認定試験のルートで問題ないかを考えてみてください。
最近は、サポート校と同等またはそれ以上に手厚い支援を提供する通信制高校も増えてきています。通信制高校だけでも十分、自分に合った教育を受けられるはずです。そのため、サポート内容を含めて、自分に合った通信制高校を探すところからはじめてみてください。
参考URL:
高等学校通信教育の現状について|文部科学省
通信制高校とは?全日制との違いや通学・授業、費用などを解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校
WEBコース|明聖高等学校
教育基本法の規定の概要(学校教育について)|文部科学省
全日コース|千葉本校|明聖高等学校
全日デザインコース|中野キャンパス|明聖高等学校
学校説明会・相談会|明聖高等学校
明聖高等学校は、千葉・中野にキャンパスを構える通信制高校です。全日コース・全日ITコース・通信コース・WEBコースに分かれており、一人ひとりに合わせた高校生活を過ごすことができます。