アートやデザインといった芸術的な知識やスキルを身に着けたい、芸術に携わる仕事に就きたいと思ったら、高校卒業後の進学先の第一候補として、美大や芸大が挙げられます。ただ、国語や英語の勉強が苦手で、美大や芸大の入試が心配という方も多いのではないでしょうか。
また美大や芸大の入試の多くは実技試験があるために、高校在学中も実技のスキルを向上させなければなりません。全日制ではそのための学ぶ時間が足りないのではないかと考えている方もいるかと思います。

そこで今回は、美大や芸大への進学を考えている方に向けて、通信制高校からの進学も選択肢の一つとなりうるということを、事例を交えて解説していきます。

通信制高校から美大や芸大への進学は可能!

一般に美大や芸大の募集要項には、出願資格として「高等学校等を卒業した者」や「文部科学大臣が認定した教育施設を卒業した者」などが指定されています。全日制高校という指定はないため、通信制高校からでも美大や芸大への進学は可能です。

美大や芸大の入学試験の内容は大学によって大きく異なるため、事前にしっかりと調べておく必要があります。学科によっては、共通テストのみで入学試験に実技がないというケースもあります。

多摩美術大学を例に挙げて入学試験について解説します。多摩美術大学では、「実技試験+国語/英語の試験」「実技試験+大学入学共通テスト」という組み合わせの選抜方式がある一方で、志望する学科によっては大学入学共通テストの結果のみでも出願可能です。このように、同じ大学でも学科によって選抜方式が異なることも少なくありません。

なお、多摩美術大学には明聖高校からの進学実績があります。このことからも、通信制高校から美大に進学することが可能ということがわかると思います。美大や芸大を目指して通信制高校に入学しようと考えている方は特に、卒業後の進学実績をしっかりとチェックしておきましょう。

美大・芸大を目指す人が通信制高校に通うメリット

美大・芸大を目指す人にとって、通信制高校に通うことのメリットを紹介していきます。

美大・芸大向けの予備校に通う時間が作れる

通信制高校には、時間を有効活用できるという利点があります。美大・芸大を目指す人にとっては特にこのメリットが活かされます。

美大・芸大の実技試験対策として、デッサンやデザインの力を身に着けるために、美術系の予備校に通うという人も少なくありません。また、実技だけでなく、国語や英語などの基礎学力も向上させなければなりません。全日制の学校に通っていると、必然的に学ぶ時間が足りなくなってきます。

その点、通信制高校ならばスクーリングが少ないコースを選べるので、学習のスケジュールを立てやすくなります。美術系の予備校に通いつつ、空いた時間で国語や英語といった科目の学習が可能です。

自分に合った学習ペースで勉強をしたいという方は、以下の記事もご覧ください。
理想の学習スタイルを叶えよう!ネット高校のメリットまとめ

芸術関係について学べるコースがある

美術系の予備校に通えるだけが通信制高校のメリットではありません。通信制高校のなかには、美術やデザイン、音楽などを学べるカリキュラムを用意している学校もあります。

例として、明聖高校中野キャンパスの全日デザインコースを紹介します。全日デザインコースでは国語や数学などの授業のほか、デッサンやデジタルイラストの演習がカリキュラムに組み込まれています。また、系列校である「千葉デザイナー学院」と提携しており、プロを育てる講師から、アナログとデジタル両面のデザインやアートが学べます。

明聖高校の全日デザインコースについて、詳しくはこちらをご参照ください。
中野キャンパス-全日デザインコース|通信制高校(千葉・中野)|明聖高等学校

通信制高校のデザイン系コース卒業後に選べる職業は?

通信制高校のデザイン系コースを卒業したあとには、グラフィックデザイナーやイラストレーター、Webデザイナーなどの進路があります。これらの職業は企業で勤める方法だけでなく、フリーランスとして活動することも可能です。

デザイン系コースで学んだあとの進路について、詳しくは以下の記事をご参照ください。
高校のデザイン科を卒業した場合の進路は?学べる内容もご紹介