通信制高校では自宅学習をメインに卒業まで学習を進めますが、そう聞くと「自分一人で続けられるかな。挫折してしまわないかな」と不安に感じる人もいるのではないでしょうか。特に、一度高校を中途退学(中退)している人や、仕事や病気の治療などと学業を両立させたいと思っている人は、卒業まで完走できるか心配になることもあると思います。
今回は、通信制高校を挫折してしまう人はどのような理由で中退しているのか、挫折する前にどのように対処すればいいかを解説します。

20人に1人が挫折?!通信高校生ならではの理由も

通信制高校の中退率は高く、文部科学省の調査によると、2017年度における通信制高校の中退率(在籍者数に占める中途退学者数の割合)は4.9%に上っています。これは全日制高校の約5倍の数字で、20人に1人が通信制高校を挫折しているという計算です(「平成29年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」)。

また、学校によって中退率・卒業率にばらつきが大きい点も見逃せません。ある研究によると、卒業率が40%しかない通信制高校もあれば、90%を超える通信制高校もあるといいます(「通信制高校の現状と卒業率に関わる要因の調査分析」)。

通信制高校を挫折してしまう理由には、主に次の3つが挙げられます。

学習面の問題

学習がうまく進められずに「卒業できそうにない」と中退してしまうパターンです。具体的には、

①自主学習では理解を深められず、当初の計画どおりに進められなかった。
②自分から机に向かって学習するモチベーション(やる気)を保てなかった。
③仕事や子育てと学業を両立させることが難しく、学習時間を確保できなかった。
④心身の体調の関係で学習できる状況になかった。

といったケースが挙げられます。

学校の環境の問題

登校頻度が全日制高校よりも少ない通信制高校ですが「学校の雰囲気が合わない」「ほかの生徒との人間関係がうまくいかない」という理由で挫折してしまう人もいます。

通信制高校は全日制高校と比べ、さまざまな生徒が在籍しているのが特徴です。中学校まででは見たことのないような奇抜な私服の人や、すでに働いている年の離れた人などと同じ教室で授業を受けることもあります。中学校や全日制高校から大きく環境が変化することから、うまく適応できずにスクーリングに行けなくなってしまう人もいるのが実情です。

経済的な問題

経済的な理由で高校を中退している人は、全日制高校では0.9%、定時制高校では1.5%ですが、通信制高校はその約5倍の4.9%となっています。

通信高校生の中には、自主学習だけではなかなか理解が深まらず、並行してサポート校に通っている人も多くいます。しかし、その分、学費が多くかかってしまう場合もあります。

また、思うように単位を修得できず、3年で卒業できない場合も、4年目以降の学費がかかってきてしまい、経済的な負担が大きくなってしまいます。

通信制高校を挫折しないために。続けるための大切な4つのポイント

通信制高校を挫折してしまう人は確かに多くいますが、適切な対策を採れば、卒業まで完走することは難しいことではありません。
特に次の4つのポイントを押さえておきましょう。

自分の現状に合った通信制高校を選ぶ

自分の性格や生活スタイルなどを踏まえて、卒業まで学習を続けられる通信制高校を選ぶことが大切です。

 
<例>
 
・学習内容の理解に不安がある人
学習サポート体制が整っていたり、基礎学習を重視したカリキュラムを組んでいたりする通信制高校。
 
・仕事などがあり、学習時間の確保に不安がある人
スマートフォンやタブレットなどでも学習できる仕組みの通信制高校。
 
・スクーリングの環境や人間関係が心配な人
スクーリングの少ない通信制高校や、少人数・個別学習室のある通信制高校。
 
・モチベーションの維持に自信がない人
スクーリング回数の多い通信制高校や、自分の関心が高い内容・将来の夢に関する内容を学べる通信制高校。
 
また、事前に学校説明会やオープンスクールに参加し、学校ごとの雰囲気を感じておくことをおすすめします。

目標を立て、学習計画に沿って勉強する

通信制高校に入学したら、いつまでに卒業するか目標を立てましょう。そして、目標を達成するためにはどのように勉強を進めればいいか、1年間での修得単位や1週間・1日での学習時間などの学習計画を立てることが重要です。

通信制高校の先生と相談しながら、現実的な目標・計画を設定するようにしましょう。

不安が出てきたときは早めに先生に相談する

通信制高校生活に少しでも困難を感じたら、早めに先生に相談することが大切です。その分、スクーリングのとき以外でも気軽に相談できる体制が整った通信制高校を選ぶのがよいでしょう。

学費サポートの制度を利用する

経済面での心配がある場合は、学費をサポートするさまざまな制度の活用を検討してみてください。

代表的な制度が、国の「高等学校等就学支援金制度」です。所得要件などを満たせば、年間18万円程度の支援金が支給される場合もあります。

そのほか、都道府県の入学金軽減制度や(千葉県「私立高等学校入学金軽減制度」など)、民間組織による無利子の奨学金を貸し付ける仕組みを利用できることもあります。通信制高校の先生に相談して調べてみるとよいでしょう。

挫折しないようにサポート!明聖高校の支援体制

明聖高校でも、通信高校生が途中で挫折してしまわないよう、高校生活をサポートする仕組みを整えています。その一部をご紹介しましょう。

学習面でのサポート

通信コースでは、スクーリングのとき以外でも、電話やメール、FAXなどでいつでもレポートや進路などの相談に乗ってもらえます。また、やむを得ない理由でスクーリングに出席できなかったときには、放送視聴制度で振り替えることが可能です。

WEBコースでは、インターネット上の質問BOXからも相談することができます。また、先生が生徒一人一人の学習状況(ログイン状況、レポートの得点状況、単位修得状況など)を丁寧にチェックし、必要に応じてアドバイスしてくれます。

メンタル面のサポート

明聖高校の先生は、全員がカウンセリングやメンタルヘルスの専門研修を受け、資格を取得しています。専門のカウンセラーも常駐しており、学校生活の悩みを相談することが可能です。また、大人数での教室でスクーリングに出席することが難しい場合は、少人数の個別学習室で授業を受けることもできます。
 
▼明聖高校の学習サポート体制について詳細はこちら。
通信制高校って簡単に卒業できるの?卒業要件とサポート体制