通信制高校では、教科の学習をするだけでなく、特別活動にも出席します。あまり聞きなれない言葉ですが、特別活動は卒業条件にもかかわるものです。
今回は、通信制高校の特別活動にはどのようなものがあるのか解説します。

特別活動の出席は通信制高校卒業の条件!

特別活動とは、社会性や個性をはぐくみ、心身の成長を促すための集団活動です。具体的には、後ほど紹介するホームルーム活動や学校行事などが挙げられます。

通信制高校を含む高校を卒業するためには、特別活動に30単位時間以上出席することが必要です。1単位時間は50分で、おおよそ授業1時限分にあたるため、卒業までに30時限分の特別活動に出席することになります。

とはいえ、通信制高校は自宅での自主学習がメインであるため、一般的な全日制高校と比べると、特別活動に割ける時間も必然的に少なくなってしまいます。この点を考慮して、通信制高校では、多様なメディア(ラジオ放送、テレビ放送、DVD、インターネットなど)を利用して行う学習を取り入れた場合で、生徒がこれらの方法により学習し、その成果が満足できると認められるときは、その生徒について、その各教科・科目の面接指導の時間数又は特別活動の時間数のうち、各メディアごとにそれぞれ10分の6以内の時間数を免除することが可能です。ただし、免除する時間数は、合わせて10分の8を超えることができないので注意が必要です。

教科の学力だけであれば高卒認定(高等学校卒業程度認定試験の合格)でも証明されますが、通信制高校の卒業によって得られる高卒資格は、さらに特別活動を通じた人間的な成長も証明しているといえるでしょう。

通信制高校の特別活動では何をする?ホームルームや行事について

通信制高校の特別活動は、主に次の3つに分けられます。

ホームルーム活動

ホームルーム活動というと、中学校で生徒会のクラス委員やクラス内の係を決めたり、席替えをしたりしたイメージが強い人もいるでしょう。
メインとなるのは、学習指導や進路指導です。学習指導については、入学直後に通信制高校での学習スタイルについて確認し、折を見て学習の進み具合を確認したり、スケジュールを見直したりします。また、進路指導では、進路の考え方や、その進路に進むためには何をすればいいかといったことを学びます。

例えば、明聖高校の通信コースでは、月2回のスクーリングがあります。時間割りの中にホームルームが組み込まれています。

また、WEBコースの場合は・・・・・・
登校スクーリングの時間割りにホームルームがあります。また、動画授業の中にもホームルームが組み込まれています。

学校行事

通信制高校でも、全日制高校と同じような学校行事が行われています。学校によって実施の有無や内容は異なりますが、入学式や卒業式といった節目の行事、文化祭や体育祭、修学旅行などが代表的です。さらに、職業体験やボランティア活動など、社会とのつながりを感じられる行事を行う通信制高校もあります。

通信制高校の学校行事は全日制高校のものとは違い、任意参加である場合も多くなっていますが、どの行事が卒業条件に関係しているかは確認しておいたほうがよいでしょう。集団の中で行事に参加するのが苦手な人や、仕事をしていて頻繁に行事に参加するのが難しいという人は、通信制高校に相談することもできます。
 
▼通信制高校の学校行事や明聖高校の行事について、詳しくはこちら。
文化祭や体育祭はあるの?参加は自由?通信制高校の行事を知ろう

生徒会活動

通信制高校でも、生徒会活動がさかんな学校は珍しくありません。生徒会長や書記、会計担当などの生徒会役員を立てている場合は選挙を行ったり、有志で「新入生歓迎会」「大縄跳び大会」などのイベントを企画・実施したり、キャンパス内の掲示物や校内新聞を作ったりといった活動が、特別活動にあたります。

生徒会活動も、卒業条件としての特別活動に含まれているかどうかは学校によってさまざまです。もちろん、生徒会がない通信制高校もあります。

特別活動以外の条件も確認!通信制高校を卒業するには

通信制高校を含む高校の卒業条件は、特別活動の出席以外に、次の2つがあります。こちらもあわせて押さえておきましょう。

3年以上高校に在籍する

少なくとも3年は高校に在籍している必要があります。そのため、1年間で修得する単位数を増やしても、3年より早く卒業できるというわけではありません(1年間で修得できる単位数の上限が決められている通信制高校もあります)。
他の高校から転入したり、一度高校を中退したあとに編入したりしている人は、以前に在籍していた高校での在籍期間も含めて3年以上在籍していることが条件になります。

卒業までに必修科目を含めた74単位を修得する

教科の学習にかかわる条件です。単位を修得するためには、まず、決められた通数のレポートを締め切りまでに提出し、決められた時数のスクーリングに出席します。この条件を満たせば、年度末の単位認定試験を受験でき、その試験に合格することで単位を修得することが可能です。