高校受験が近づくにつれて、「もし落ちたらどうしよう…」という不安が大きくなっていませんか?
 
不安でいっぱいになってしまうかもしれませんが、もしものときにどうすればいいかを知っておくことで、心は少し軽くなるはずです。
 
この記事では、高校受験に落ちてしまったときの具体的な次の選択肢や、つらい気持ちとの向き合い方を解説します。一人で悩まず、一緒に「もしも」のときの準備をして、前向きな気持ちで受験に臨みましょう。

高校受験に落ちたらどうしよう!全落ちしたら高校生になれないの?

高校受験を控えた中学生の多くが、なら、「もし高校受験に落ちたらどうしよう…」と不安になったことがあるはずです。
 
でも、安心してください。志望校に落ちたとしても、「高校生になれない」ということはありません。
 
多くの場合、第一志望校が私立なら公立高校を、公立高校なら私立高校を併願して受験しています。そのため、どちらかで合格する可能性が高いからです。
 
もちろん、全部の高校に落ちてしまう可能性もゼロではありません。しかし、その場合でも、ほかの選択肢を取ることで高校生になれる道は必ずあります。
 
「高校受験に失敗したら人生が終わる」「中卒になる」といった心配はしなくて大丈夫です。まずは、たとえ不合格になっても、次に進む道があることを知っておきましょう。

高校受験で落ちたときのためにできる事前対策

もし第一志望校に落ちてしまっても、事前に準備をしておけば大丈夫です。そのための最も一般的な方法が「併願」です。
 
併願とは、第一志望校とは別に、もう1校、2校と受験することです。これによって、たとえ第一志望校に落ちてしまっても、第二志望校に合格して高校生になれる道が確保できます。

併願できる学校や条件は、住んでいる都道府県によって異なります。たとえば、千葉県の一般入試には、以下のような要件が明記されています。
県が定める通学区域に関する規則に基づいて志願する高等学校を選ばなければならない。なお、県の内外を問わず、他の公立高等学校を併願してはならない。また、同一高等学校の同一課程における異なる学科については第2希望を申し出ることができる。

引用:令和6年度 高等学校入学者選抜の改善等に関する状況調査(公立高等学校)|文部科学省
 
現在、公立高校同士の併願はできないため、多くの地域で公立高校と私立高校を併願するのが一般的です。
 
ただし、同じ公立高校内で、第一志望とは別の学科を第二希望として選べる場合もあります。この制度を利用すれば、第一志望の普通科に落ちても、第二希望の商業科に受かる、といったケースも考えられます。
 
将来的には、公立高校同士の併願ができるようになるよう、国でも検討が進められています。
 
参考:こどもの声を聴く公立高校入試改革を|文部科学省

高校受験に全落ちしてしまったあとの選択肢

万が一、高校受験で全落ちしてしまっても、過度に心配する必要はありません。高校生になる道は、必ずあります。
 
ここでは、全落ちした後に高校生になれる選択肢を紹介します。

定員割れの追加募集(二次募集)に応募する

高校によっては、一次募集で定員を満たせなかった場合、追加募集(二次募集)を行うことがあります。この追加募集に合格できれば、高校生になれます。
 
例えば100人の枠に80人しか応募しなかった高校があった場合、残り20人の空き枠を埋めるために追加募集するのです。実際、熊本県の令和2年の高校受験では、県立高校50校のうち38校で定員割れが起こりました。生まれた空き枠は、なんと2,475人分です。
 
このように、最近は少子化の影響で定員割れを起こす公立高校が増えており、再度高校受験に挑戦できるチャンスとなっています。
 
参考:「県立高校の未来を考える~そのあり方と魅力づくり~」|文部科学省

分割後期募集に応募する

入試を前期・後期の2回に分けて実施する高校もあります。その場合、分割後期募集に出願すれば、高校生になれる可能性があります。
 
実施時期は自治体によって異なりますが、前期の合格発表後に出願できるケースがほとんどです。例えば、都立高校における令和7年度入学者の分割後期募集の日程は以下のとおりでした。

  • ● 出願締切:3月6日まで
  • ● 分割後期募集の試験日:3月11日
  • ● 合格発表日:3月14日

参考:令和8年度東京都立高等学校入学者選抜の日程について|東京都教育委員会
※上記は令和7年度におこなわれた過去の日程です。最新の日程は別途ご確認ください。
 
前期の合格発表日が3月3日だったので、後期の出願までには3日間の期間がありました。通常、前期の試験が終わったあとに自己採点をして合否の見当をつけられるので、実際はもう少し早く準備をはじめられます。

浪人して来年もう一度受験する

もう一つの選択肢として、「浪人」があります。高校に進学せず、もう一年間、来年の受験に向けて勉強を頑張るという方法です。
 
行きたい高校のレベルが自分にとって少し高かった場合、一年間かけて基礎からじっくり学び直すことで、合格できる可能性を高められます。
 
しかしながら、一年間という長さから精神的な負担が大きくなることや、予備校や塾に通う場合は費用がかかります。そのため、一人で抱え込まず家族や先生としっかり話し合って決めることが大切です。

通信制高校を受験する

もし、追加募集や分割後期募集がない場合は、通信制高校という選択肢があります。通信制高校には、全日制高校とは異なる魅力があります。
 
【通信制高校を選ぶメリット】

  • ● 自分のペースで学べる
  • 通信制高校は、オンライン授業や自宅学習が中心です 。毎日通学する必要がないため、自分の体調や生活リズムに合わせて、無理なく学習を進められます。集団での学習が苦手な人や、自分のペースでじっくり学びたい人に向いています 。

  • ● 多様なコースがある
  • 明聖高校の全日総合コースや全日ITコースのように、毎日登校して対面授業を受けられるコースもあります 。また、IT、デザイン、美容など、専門的な分野を学べるコースが充実している学校も多いです。

  • ● 手厚いサポート体制
  • 「一人で学習を続けられるか不安…」という人でも大丈夫です。多くの通信制高校では、先生が個別に学習計画のアドバイスをくれたり、いつでも質問できる体制が整っています。メンタル面でのサポートも充実しているので、安心して高校生活を送ることができます。

関連記事:通信制高校とは?全日制・定時制の違いなどわかりやすく解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校
 
明聖高校は、千葉県に本校を置く通信制高校です。
 
全日総合コースや全日ITコースなど、対面で学ぶコースでは併願入試を実施しており、公立高校の合否発表後でも出願が間に合います。令和8年度入学生の併願受験の最終受付は、後期選抜試験の第2回(2月下旬頃出願)となります。
 
通信制高校という選択肢もぜひご検討ください。気になる方は、一度学校説明会・相談会にお越しいただければと思います。
学校説明会・相談会|明聖高等学校

高校受験に落ちて立ち直れない…メンタルの持ち直し方

もし、高校受験に落ちてしまったら、立ち直れなくなるのではないか…と不安に思うかもしれません。でも、人生には誰にでも大きな失敗やつらい経験は起こります。
 
ここからは、そんなときに知っておきたい心の立て直し方をご紹介します。
 
参考:ストレスとセルフケア|こころの情報サイト|国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所

気持ちを受け止めて無理に前向きになろうとしない

「落ち込むなんてダメだ」と、悲しい気持ちを無理に我慢する必要はありません。まずは、自分の気持ちをそのまま受け入れてあげましょう。
 
悲しみや悔しさを家族や友達に話したり、ノートに気持ちを書き出したりするだけで、心が少し軽くなります。涙を流すのも有効な方法です。
 
このとき、自分を責めるのではなく、「こんなに悔しいと思うほど、私は頑張ったんだ」と、努力した自分を褒めてあげてください。

受験以外の自分の価値や強みに目を向ける

受験の合否が、あなたの価値すべてを決めるわけではありません。勉強以外の得意なことや、好きなこと、趣味に目を向けてみましょう。

  • ● 部活動や趣味に打ち込む
  • ● 新しい習い事を始める
  • ● 友達に自分の良いところを聞いてみる

たとえ高校に落ちても、あなたの夢が消えるわけではありません。受験とは別の道を考えてみることで、新たな自分の一面に気づくこともあります。小さな成功体験を積み重ねていくうちに、自信はきっと回復します。
 

次の目標や行動を少しずつ決めていく

つらい気持ちが少し落ち着いたら、「ここから何ができるか」に意識を切り替えることが大切です。
追加募集や通信制高校への出願など、次の選択肢を具体的に調べ、少しずつ行動を始めてみましょう。次の目標に向かって一歩踏み出すことで、気持ちも前向きになりやすくなります。

専門家や信頼できる大人に相談する

どうしてもつらい気持ちが薄れないときは、一人で抱え込まず、誰かに頼ることも重要です。
学校の先生やスクールカウンセラーに相談すれば、有益なアドバイスや、新しい進路の選択肢が見つかるかもしれません。もし、不安やストレスで心や身体に不調が出ていると感じたら、早めに医療機関に相談することも大切です。

【保護者の方へ】子どもが高校受験に落ちたときの対応

お子さんが高校受験に落ちてしまったとき、保護者の方も「どうしてあげたらいいんだろう」と不安になるかもしれません。
 
まず、一番大切なのは、お子さんの悲しい気持ちを否定せず受け止めることです。たとえ勉強不足だったとしても、責めたり、他の子と比べたりしてはいけません。お子さん自身が一番つらい思いをしていることを理解し、ただ寄り添ってあげましょう。
 
お子さん自身は、ショックで前向きに考えられないことが多いものです。だからこそ、保護者の方が冷静になり、次の選択肢を一緒に探してあげることが重要です。事前に二次募集や通信制高校について調べておけば、いざというときも慌てずに対応できます。
 
また、生活リズムが崩れないようにサポートしたり、勉強以外の好きな活動で成功体験を積ませたりすることも、立ち直るための大きな助けになります。
 
保護者の方が、お子さんの失敗を乗り越える手助けをすることで、それはお子さんにとっての貴重な成功体験となります。この経験が、将来、お子さん自身で困難を乗り越える力になるはずです。
 
参考:ストレスとセルフケア|こころの情報サイト|国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所