中高生のなかには、つい眠くなってしまって授業に集中できず悩んでいる人もいるのではないでしょうか?しっかり授業を受けたい人にとっては、解決したい問題です。
本記事では、授業中に寝ない方法を7つ紹介します。眠気に打ち勝って授業に集中したい人は、ぜひ参考にしてみてください。
気付いたら寝てた!授業中に眠くなる理由
文部科学省がおこなった「家庭教育の総合的推進に関する調査研究」の結果を見ると、授業中(午前)に眠くなる人はたくさんいることがわかります。
引用:平成 26 年度「家庭教育の総合的推進に関する調査研究」|文部科学省
「よくある」「ときどきある」と答えた人の割合を足すと、高校生は約80%が授業中に眠気を感じています。
● 小学生:35.1%
● 中学生:59.7%
● 高校生:78.5%
高校生までのみなさんが、授業中に眠くなる理由は大きく2つあります。
睡眠時間が足りていないから
高校生までの成長期の間は、心と身体の成長のためにも、成人よりも長い睡眠時間が必要です。推奨される睡眠時間を確保できないと睡眠不足になり、授業中に眠くなることがあります。
米国睡眠学会(American Academy of Sleep Medicine)は、子どもに推奨される睡眠時間として、年齢別に下記を推奨しています。
● 1~2歳児:11~14時間
● 3~5歳:10~13時間
● 小学生:9~12時間
● 中学・高校生:8~10時間
参考:Recommended Amount of Sleep for Pediatric Populations: A Consensus Statement of the American Academy of Sleep Medicine|Journal of Clinical Sleep Medicine
成長とともに必要な睡眠時間は減っていきますが、成人までの間は長い睡眠時間が必要です。
ところが、思春期・青年期を迎える中高生は体内時計が夜型に傾きやすくなり、朝寝坊や夜更かしが増えるという研究(※)もあります。その結果、睡眠不足になり、授業中に眠くなるというわけです。
※参考:Foster RG, Roenneberg T. Human responses to the geophysical daily, annual and lunar cycles. Curr Biol. 2008 Sep 9;18(17):R784-R794. doi: 10.1016/j.cub.2008.07.003. PMID: 18786384.
睡眠のリズムが乱れているから
文部科学省がおこなった「家庭教育の総合的推進に関する調査研究」の結果を見ると、学校がある日と休日で起きる時刻が2時間以上ズレると、授業中に眠くなりやすいことがわかっています。
引用:平成 26 年度「家庭教育の総合的推進に関する調査研究」|文部科学省
睡眠のリズムが乱れている高校生のうち、授業中にもかかわらず眠くて仕方がないことが「よくある」「ときどきある」と答えた人の割合を足すと、84.3%です。小学生は54.4%、中学生は72.5%であり、睡眠のリズムの乱れが眠気を引き起こす要因のひとつになっていると考えられます。
授業中に寝ない方法
成長期のみなさんが授業中に眠くなるのは、自然なことだとわかりました。一方で、授業中は寝ずに集中したい人もいるでしょう。
そこで、授業中に寝ない方法を7つ紹介します。
● 深呼吸をする
● ツボを押す
● 目薬をさす
● 身体を動かす
● 顔を洗う
● 身体を冷やす
● 仮眠をとる
各方法を試して、眠気を吹き飛ばしましょう。
深呼吸をする
脳へ送られる酸素の量が少ないと、眠気を感じることがあります。特にマスクをして学校生活を送っている人は呼吸が浅くなり、酸素の量も足りなくなるため、注意が必要です。
深呼吸をして、脳に酸素を送ると、眠気が改善される可能性があります。深呼吸のやり方は、以下を参考にしてみてください。
1. 背筋を伸ばして座る
2. 鼻からゆっくり息を吸い込み、おへその下に空気を溜めていく
3. お腹をへこませながら、口からゆっくり息を吐き出す
息を吐くときは、吸うときの2倍の時間をかけるのがコツです。何度か繰り返し、眠気が覚めるか試してみましょう。
ツボを押す
次の6つのツボを刺激すると、眠気覚ましになります。
● 睛明:目頭より少し内側をつまんで引っ張る
● 風池:髪の生え際のへこみに両手の親指をあてて、下から斜め上に押し上げる
● 合谷:人差し指と親指の骨が集合するところで、人差し指寄りの部分を押す
● 百会:頭のてっぺんの少しへこんだところを押す
● 太陽:目尻と眉尻の間から2cmほど後ろにあるくぼみを指で押す
● 中衝:中指の爪の生え際から2~3mmほど下をつまむように押す
授業中でもできるので、試してみてください。
目薬をさす
メントール成分の入った目薬をさすと、眠気が覚めやすくなります。
心配な人は、あらかじめ「目薬を学校に持参してもよいか」「授業中にさしてもよいか」などを先生に確認しておきましょう。
身体を動かす
身体を動かすと、眠気覚ましになります。休み時間に椅子に座ったまま過ごすのではなく、、立って教室の中や廊下を歩く、伸びをするなど、動ごいてみましょう。
授業中は大きく身体を動かすことが難しいため、姿勢を正したり足を浮かせたりして、部分的に動かしてみるのがおすすめです。
顔を洗う
顔を洗ってリフレッシュすると、眠気が覚める可能性があります。タオルやハンカチを持参して、休み時間に冷たい水で顔を洗ってみましょう。
身体を冷やす
人間は、身体の外側を温めると、眠くなることがあります。人間の身体は、体温を一定に保つために熱を外へ逃がす放熱をおこないます。その結果、身体の内部の体温(深部体温)が低下して、眠くなる仕組みです。
暑いと思ったら、次の方法で身体を冷やすと眠気が覚めることがあります。
● 衣服を調整する
● 窓を開けて換気をする
● 首を冷やす
なお、教室の換気をおこなうときは、周りの人への配慮も考え、寒い人がいないか確認してからにするのがよいです。
仮眠をとる
日中、眠いときは思い切って20分程度の仮眠をとると、スッキリします。なお、30分以上の仮眠をとると、本格的な睡眠に入ってしまうので、逆効果です。
また、17時以降に仮眠をとる学生ほど日中の居眠りが多いというデータ(※)もあるため、仮眠をとる時間帯には注意しましょう。
学校の場合、昼休みに15~20分ほど仮眠をとると、集中して午後の授業を受けられるはずです。
※参考:大学生の授業中における居眠りの要因|國方功大、井上文夫
授業中に眠くならないための生活習慣
授業中に眠くならないためには、日々の睡眠の質を高めることも大切です。そのためには、ポイントを押させた生活習慣を身につける必要があります。
ここでは、厚生労働省の「健康作りのための睡眠ガイド2023」をもとに、適切な生活習慣を3つ解説します。
● 朝:太陽の光を浴びて朝食を摂る
● 日中:適度に身体を動かす
● 夜:適切な睡眠時間を確保する
生活習慣を整えて十分な睡眠時間を確保し、集中して授業を受けられるように整えましょう。
朝:太陽の光を浴びて朝食を摂る
質の高い睡眠をとるためには、朝に太陽の光を浴びることが大切です。平日は登校のタイミングで太陽の光を浴びるようにし、休日もできるだけ同じ時間に起きて少しでも外に出ましょう。
朝食を摂らないと、よい睡眠のリズムがつくれないことがわかっています。毎日しっかりと朝食を摂るために、夜更かしや朝寝坊をしないよう寝たり、起きたりする時間にも気をつけましょう。
日中:適度に身体を動かす
長時間椅子に座っている状態は、睡眠時間を減少させるという研究(※)もあるため、よい睡眠をとるためにも、日中には適度な運動をすることが求められます。学校にいる間は、休み時間に友達と遊んだり運動したりして、身体を動かすとよいでしょう。
どのタイミングで運動をしてもよいですが、就寝前の1時間に運動をおこなうと睡眠の質が低下する可能性があるため、控えてください。
(※)参考:健康づくりのための睡眠ガイド2023 (案)|厚生労働省
夜:適切な睡眠時間を確保する
夜は、夜更かしを避け、十分な睡眠時間を確保しましょう。推奨される睡眠時間は、次のとおりです。
● 小学生:9~12時間
● 中高生:8~10時間
就寝1時間前からスマートフォンやゲーム機の使用を控え、照明を暗くすると寝つきやすくなります。
あまりにも眠いなら病気の可能性も
今回お伝えした眠くならない方法を試しても、症状が改善しない場合や眠すぎて動けないなどの場合は、病気の可能性も考えられます。心配であれば、睡眠外来などの病院を受診しましょう。
もし病気が発覚し、授業中に起きていられないのであれば、自分のタイミングやペースで学べる通信制高校を選択肢として考えてみることをおすすめします。
通信制高校とは、おもに通信教育で必要な単位を修得すると、高校卒業資格を取得できる高校です。学校やコースによって登校日数が異なり、年に数回程度の登校で、あとは自宅学習で進めるケースも少なくありません。
自分のタイミング・ペースで学べるため、睡眠に不安のある人も安心して学校生活を送れます。
明聖高校のWEBコースは、楽しくわかりやすいWeb配信型の動画授業で学び、アバターを通じてオンラインで友達や先生と関われるサイバー学習国で充実した高校生活を送ることが可能です。睡眠の悩みがあって全日制高校に通うのが難しい場合は、ぜひ選択肢として検討してみてください。
まとめ
成長期のみなさんは、成人よりもたくさんの睡眠時間が必要であるため、普段の生活が忙しくなると睡眠不足になりやすい傾向があります。そのため、学校の授業中に眠くなり、集中できないことがあるのです。今回紹介した方法を試しても、日中動けなくなるほど眠くなるのであれば、病気の可能性もあるので、病院の受診を検討しましょう。睡眠に不安があっても、通信制高校なら自分のタイミングで学べます。どうしても睡眠の問題で全日制高校に通えない場合は、通信制高校も選択肢として検討してみてください。
参考URL:
平成 26 年度「家庭教育の総合的推進に関する調査研究」|文部科学省
Recommended Amount of Sleep for Pediatric Populations: A Consensus Statement of the American Academy of Sleep Medicine|Journal of Clinical Sleep Medicine
Foster RG, Roenneberg T. Human responses to the geophysical daily, annual and lunar cycles. Curr Biol. 2008 Sep 9;18(17):R784-R794. doi: 10.1016/j.cub.2008.07.003. PMID: 18786384.
大学生の授業中における居眠りの要因|國方功大、井上文夫
健康づくりのための睡眠ガイド2023|厚生労働省
明聖高等学校は、千葉・中野にキャンパスを構える通信制高校です。全日コース・全日ITコース・通信コース・WEBコースに分かれており、一人ひとりに合わせた高校生活を過ごすことができます。