不登校になってしばらく経ち、心や体の状態が落ち着いてくると、「何をして過ごせばいいんだろう?」「意外と暇だなあ」と思うことがあるかもしれません。学校に行っていない分、不登校中はさまざまなことに取り組むことができる時間がたっぷりあります。
今回は、そうしたときに試してみてほしい、家での過ごし方のアイデアをご紹介しましょう。

不登校は心と体が疲れているサイン。前向きに休むつもりで過ごし方を考えよう

不登校中の過ごし方を考えるうえで覚えておきたいのは、不登校そのものをネガティブに捉えないことです。

「学校に行かずに家でダラダラしているなんてダメだ。せめてしっかり活動しなければ」と考えてしまう人もいるかもしれません。しかし、登校できなくなってしまうのは、心と体が疲れているというサインです。ですから、まずは十分な休息を取ることを大切にしましょう。ゆっくり休むことも、不登校中には欠かせない過ごし方です。

また、少しずつ体力や精神力が回復してきてからも「早く学校に戻れるよう、リハビリのためにがんばって何かをやろう」と考える必要はありません。むしろ、「学校に行っていないからこそ、やりたいことをやってみよう」とポジティブに考えてみましょう。心からやりたいと思うことを実践しながら自分を見つめ直すことができ、次の一歩を踏み出す準備をしていくことができます。不登校を前向きに捉えた過ごし方が、結果的に学校復帰のリハビリにもつながるでしょう。

不登校の時間を有意義に過ごそう!家での過ごし方のアイデア

「何かをしてみたい」という意欲が自然とわいてきたら、不登校中ならではの過ごし方を考えてみるとよいでしょう。自分自身が好きで興味のあることをするのが第一ですが、ここでは、具体的な過ごし方のアイデアをご紹介します。

本や音楽、映画などの作品を楽しむ

純粋に作品を楽しめるのはもちろん、作品に触れる中でリフレッシュ、リラックスすることができます。時には新しい知識を得られたり、視野が広がったりすることもあるかもしれません。

イラスト、工作、手芸、楽器の演奏などクリエイティブなことをする

自分自身の手で何かを作り上げる中で、やりがいや達成感を得られます。ひとつのことに打ち込む集中力を取り戻すのにも役立つでしょう。また、ゲームもやり方を工夫すれば、目標を達成するやりがいを感じることができます。

掃除、料理、洗濯など家事を手伝う

家族という小さな「社会」の中で役割を果たす家事は、社会復帰への第一歩だといえます。家族に頼られたり、感謝されたりする中で、自信を取り戻していくこともできるでしょう。

勉強する

無理のない範囲で、自主学習を始めてみるのもひとつの手です。学校復帰しやすくなるだけでなく、仮に元の学校には戻れなくても、将来に向けて勉強を続けるモチベーションにつながるでしょう。

散歩、ジョギングなど軽い運動をする

気分転換になると同時に、体力をつけるためにも有効な過ごし方といえます。独りでは気が向かないときは、家族とやってみるのもおすすめ。平日の日中は人目が気になるという場合には、時間帯を工夫してみたり、室内でできるエクササイズをしたりしてもよいでしょう。

なお、これらのすべてを実践しなければならないわけではありません。本人がやりたい範囲・できる範囲でやることを前提に、自分なりの有意義な過ごし方を見つけてみましょう。

勉強面では通信制高校のサポート校なども活用しよう

不登校中の過ごし方の中でも、「勉強はやっておきたい」と考える人は多いでしょう。一方で、自宅での自主学習はなかなか難しいと感じることも少なくないと思います。

そうした場合には、専門機関・支援施設を利用し、家の外に足を運んで勉強するのもおすすめです。利用できる期間や施設には、次のようなものがあります。

  • 個別指導塾や家庭教師など民間の教育機関
  • 適応指導教室など公的な不登校支援施設
  • 通信制高校での学習を支援するサポート校

通信制高校に入学し、自分のペースで学びながら高校卒業資格の取得を目指す場合には、サポート校が自主学習やレポート作成の力になってくれます。

こうした施設で友だちができれば、学校以外にも居場所を作ることができます。安心できる居場所は、学校復帰や社会復帰をするための心のよりどころになるはずです。