通信制高校で学びたいと考えている人のなかには、すでに中学卒業・高校中退から年数が経っている人も多いでしょう。「何歳まで通信制高校に入学できるんだろう。入学できても勉強についていけるだろうか」など、年齢を理由に不安を感じることもあるかと思います。今回は、通信制高校の生徒の年齢構成や、入学に当たっての年齢制限の有無などについて解説します。
年齢を重ねても入学可能!通信制高校に年齢の上限はない
通信制高校を含むすべての高校の入学資格は、法律で次のように定められています。
- ・中学校を卒業しているか、中学卒業と同等の学力があると認められていること
- ・入学の段階で満15歳以上であること(満15歳になる年度が終わるまでは、保護者が子どもを中学校に行かせる義務があるため)
このように、高校入学には年齢の下限はあるものの、上限はありません。つまり、中学卒業程度の学力があり、15歳以上であれば、誰でも通信制高校に入学できます。
通信制高校の生徒は何歳くらいが多い?
政府の調査によると、2017年における通信制高校の生徒の年齢別割合は、次のようになっています。
- ・15~19歳 81.66%
- ・20~24歳 10.65%
- ・25~29歳 3.51%
- ・30~39歳 2.77%
- ・40~49歳 0.81%
- ・50~59歳 0.29%
- ・60歳以上 0.31%
10代の生徒が8割以上を占め、20歳以上は2割弱にとどまるのが実情です。ただし、割合だけ見ると少ないように感じられますが、実際の人数を見てみると、20歳以上で通信制高校に通っている人は全国に3万3,000人もいます。さらに、公立の通信制高校だけのデータを見ると、15~19歳の生徒の割合は約半分で、残りは20歳以上の生徒です。通信制高校では、10代だけでなく、さまざまな年齢の人が学んでいることがわかります。
20歳以上でも大丈夫!通信制高校の特徴とフォロー体制
入学資格に年齢上限がないとはいえ、「本当に大人になってからでも高校で勉強を続けられるのかな」と心配になることもあるでしょう。通信制高校には、そのように20歳以上になってから高校の卒業を目指す人でも自分らしく学習できるような仕組みが整っています。
入試
私立を中心に、入試で学力試験がない通信制高校が多く見られます。しばらく学校の勉強から離れていても、出願することが可能です。学力試験がない場合は、面接や作文、出願書類だけで入学が可能か判断されます
学習についてのフォロー
学習については、中学の基礎からじっくり復習できるカリキュラムを組んでいる通信制高校が多くなっています。自宅学習中にわからないところがあった場合にも、スクーリング中に質問できるほか、電話やメールFAXなどで相談に乗ってもらえる高校が一般的です。
年齢を重ねてから勉強することに対して、ついていけるか不安になることもあるかと思いますが、「学びたい」意欲、「高校卒業を目指したい」という目的意識をしっかり持てば、大丈夫です。
学習スタイルや生活習慣についてのフォロー
通信制高校は、働いている人や、不登校の経験がある人、病気と闘っている人など、さまざまな事情を抱えた生徒が多く通っています。そのため、先生は勉強の内容だけでなく、学習スタイルや生活習慣などについても、一人ひとり丁寧に相談に乗ってくれます。仕事との両立が不安な人や、心のケアをしながら高校に通いたい人も心配はいりません。
人目を気にする必要が少ないスクールライフ
20歳を過ぎて高校に通うことを思わずためらってしまう人もいるかと思いますが、通信制高校では、年齢が上でも人目を気にせず学習して卒業を目指せるようになっています。
まず、通信制高校はスクーリング日数が少なく、スクーリングのときも、決まったクラスがないことがほとんどです。そのため、10代の生徒も大勢の友達と集まっているということが少なく、「10代の子たちばかりのクラスで、大人が浮いてしまって気まずい」ということはあまりありません。さらに、通信制高校によっては、社会人コースを設置しているところもあり、20代以上の人だけが集まってスクーリングを行うケースもあります。加えて、制服が必須ではない通信制高校が多く、大人になってから制服を着ることに抵抗がある人も安心できます。
社会人が働きながら通信制高校を卒業するには?
もともと、通信制高校は、働いているなどの理由で、全日制・定時制高校に通えない人のために設置された学校です。現在でも、20歳を超えて社会人になってから、通信制高校の卒業を目指す人は多くいます。以下で、社会人が通信制高校に通うにあたって気になるポイントを解説していきましょう。
卒業までの年数
通信制高校を含む高校を卒業するためには、3年以上在籍しなければならないと法律で決められています。ただし、2年次以降から編入した場合は、それより短い期間で卒業できる場合もあります。加えて、半数以上の通信制高校が、在籍年数の上限を設けている点にも注意が必要です。6年や8年以内に卒業しなければならない通信制高校が多くなっています。
実際は、社会人でも最短の3年で通信制高校を卒業している人から、5年以上かかる人までさまざまです。文部科学省のデータを見ると、卒業までの期間が3年を超える人は約8%となっています。
仕事とスクーリングの両立
仕事と通信制高校を両立しようと思う場合は、スクーリング回数の少ない学校のほうが負担が少ないでしょう。また、社会人コースを設置している通信制高校のなかには、スクーリングの日が土曜日に設定されていたり、スクーリングを連続でまとめた日数で行ったりするところもあるため、頻繁に休みを取れない人は検討してもよいかもしれません。
仕事自宅学習・レポートの両立
自宅学習やレポート作成をオンラインでできる通信制高校は、仕事と両立しやすいと言えます。タブレットやスマートフォンを使って教材やレポートに取り組めるため、通勤中や仕事の休み時間といったスキマ時間を使って学習しやすいのがメリットです。
高校卒業までのモチベーション維持
通信制高校のなかには、さまざまな科目のなかから、自分の関心にあった内容の授業を受けられる学校もあります。社会人の場合は、特に仕事に直結するような科目を選べば、学習を続けるモチベーションの維持につながるでしょう。
まとめ
通信制高校では、年齢に関係なく学習し、高卒資格取得を目指すことが可能です。「もう一度きちんと勉強したい」「就職や仕事でのキャリアアップのために高卒資格を取りたい」と思うことがあったら、後悔のないよう、通信制高校の入学を検討してみてはいかがでしょうか。
※参考URL
学校教育法[別窓]
高等学校入学資格 法令等:文部科学省[別窓]
学校基本調査 _ 政府統計の総合窓口[別窓]
定時制・通信制課程について:文部科学省[別窓]
高等学校定時制課程・通信制課程の在り方に関する調査研究
財団法人 全国高等学校定時制通信制教育振興会[別窓]
高等学校通信教育に関する調査結果について 文部科学省[別窓]
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