2015年頃から登場した新しい高校「ネット高校」について、皆さんはどのようなイメージを持っていますか? 「インターネットの自宅学習が中心で、ほとんど登校しないとなると、勉強が続かないんじゃないの?」「挫折する人ばかりで、卒業率が低いんじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。
このようなイメージに反して、実は、ネット高校は卒業率が高いことで知られています。その理由を解説していきましょう。

全日制高校、従来の通信制高校と比べたネット高校の卒業率は?

ネット高校の卒業率を、全日制高校や、従来の通信制高校と比較してみましょう。

全日制高校

「学校基本調査」(文部科学省)をもとに卒業率を計算すると、2016年4月入学、2019年3月卒業の学年における全日制高校の卒業率は、約95.3%となります。ほとんどの人が3年間で全日制高校を卒業しているといえるでしょう。

通信制高校

通信制高校は全日制高校と異なり、学年ごとの卒業率を出すことが現実的でない場合があります。通信制高校の多くが、「学年」という考え方のない「単位制」を採用しており、必ずしも、入学してから3年ぴったりで卒業する必要のない仕組みになっているためです(4年以上かけて卒業する人もいます)。また、卒業率は「卒業者数/入学者数」で計算しますが、通信制高校の生徒の半分は2年次以降に転入・編入しているため、3年間で分母の「入学者数」が大きく変動してしまうという問題もあります。

そこで、大学の研究などでは、ある年度における「卒業者数/在籍者数」という形で、在籍卒業率を計算しています。例えば、在籍卒業率が33.3%なら、全生徒の約3分の1(≒1学年分)が卒業しているという意味です。いい換えれば、在籍卒業率を3倍したときに100%に近づくほど、「卒業率が高い」ということになります。

政策研究大学院大学の調査によると、2015年における通信制高校の在籍卒業率は、公立が 16.7%、私立が 32.5%となっています。私立通信制高校の卒業率は非常に高い一方、公立通信制高校では1学年の半数弱しか卒業できていないのが実情です。

ネット高校(通信制高校のインターネットコース)

ネット高校である明聖高校WEBコースは、基本的に3年間で卒業できるようにカリキュラムが組まれており、一般的な卒業率が算出されています。その卒業率は、2015年の開校以来、90%以上です。全日制高校や従来の私立通信制高校と同じくらい、とても高い割合となっています。

ネット高校の卒業率が高いのはなぜ?カギになる4つの特徴

ネット高校の卒業率がとても高いことを、意外に思う人もいるのではないでしょうか。その背景には、ネット高校の4つの特徴が関係しています。

自分の都合のよいタイミングで学習できる

ネット高校では、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットでも学習できます。そのため、いつでもどこでも、自分の都合のよいときに学習できるのが特徴です。

通信高校生には「仕事や家事、育児、スポーツ、芸能活動と、学業を両立させたい」と思っている人が多くいます。一方で、なかなか机に向かう時間を確保できず、両立が難しいと感じるケースもあるでしょう。その場合も、ネット高校であれば、スマートフォンなどを利用して、休憩時間や移動時間にも学習することが可能です。例えば、明聖高校の動画授業は1回が45分(動画授業+サイバーチェック)となっており、ちょっとした空き時間でも取り組めるようになっています。
サイバーチェック…動画授業の内容を確認する小テスト

加えて、ネット高校はスクーリング回数が年4日程度と、通信制高校の中でも特に少ない傾向にあります。この点も、学業と自分の仕事・活動を両立させやすいポイントです。

動画授業や理解度チェック機能で学習の理解を深めやすい

ネット高校の自主学習は、主に動画授業を視聴しながら進めていきます。動画授業は、アニメーションを交えた説明があったり、先生がリアルな授業と同じように口頭で解説してくれたりと、さまざまな工夫が凝らされたものが多数です。そのため、「紙の教科書だけでは理解を深めるのが難しそう」という人も、学習に取り組みやすくなっています。

また、各動画授業に理解度チェック機能がついているネット高校も多く見られます。例えば、明聖高校WEBコースでは、動画授業視聴後の「サイバーチェック」に一定数以上正解しないと、次の学習内容に進めません。このため、つまずきを未然に防げるようになっています。

先生からのサポートを受けやすい

ネット高校では、チャットや専用の質問フォームを通じて、先生にいつでも相談できます。学習でわからないところを質問するだけでなく、生活や進路の悩みを聞いてもらうことも可能です。早朝や深夜に学習しているために学校に電話できない人や、対面で個別に相談に行くのはハードルが高いという人も、気軽に質問・相談できるでしょう。

また、明聖高校WEBコースでは、先生たちが生徒一人ひとりの学習状況(ログイン状況、サイバーチェックの得点状況、学習進度など)を把握しています。先生の目が行き届いているため、つまずきや遅れを早めに解消できます。

友だちとつながれる楽しい機能がある

ネット高校の多くは、生徒同士がコミュニケーションを取れる機能も実装されています。

例えば、明聖高校WEBコースの「サイバー学習国」では、各生徒がアバターを作成し、アバターを介してチャットする形で、ほかの生徒とおしゃべりできます。サイバー学習国内では、文化祭をはじめとしたイベントも開催されるなど、交流の機会は豊富です。「リアルで顔を合わせる機会があまりなくても、高校卒業という同じ目標に向かって一緒にがんばれる友だちができた」という生徒も少なくありません。

このような機能のあるネット高校なら、「独りだと、勉強に対するやる気がなかなか起こらない」という人も、モチベーションを保ちやすくなります。

さらに、ゲームのように楽しく学習できるネット高校もあります。例えば、サイバー学習国では、動画授業の視聴やミニテストの解答でポイントを獲得し、アバターアイテムと交換できる機能が人気です。また、ちょっとした息抜きに農場ゲームや釣りゲームで遊ぶこともできます。こうしたネット高校なら、3年間の学習も苦ではなくなるのではないでしょうか。