「通信制高校に行きたい」と思う人の多くは、さまざまな事情で「全日制高校では思うように高校生活を過ごせそうにない」と感じているのではないかと思います。とはいえ、家族や学校の先生に突然「通信制高校に行きたい」と理由なく切り出しても、すんなりとは受け入れてもらえないでしょう。「通信制高校だからこそ、理想の高校生活を送れる」という自分なりの理由を伝えることが大切です。
今回の記事では、先輩たちが具体的にどのような理由で通信制高校を選んだのかを見ていきながら「通信制高校に行きたい」という想いを掘り下げてみましょう。

先輩の声を紹介!通信制高校に行きたいと思った理由

通信制高校を選んだ先輩たちが「通信制高校に行きたい」と考えた理由には、次のようなものが挙げられます。

自分が打ち込みたいことと学業を両立させたい

「高校を卒業するための学習と並行して、自分の夢に向けてやりたいことがある」という理由です。

例えば、芸能活動やスポーツ活動をしている人は、一般的な全日制高校では両立が難しい可能性があります。高校生にあたる年齢でしかできない活動もある中で、それを制限されることなく高校を卒業したいと考える人が、通信制高校を選んでいるのです。

また、今はまだプロとしての活動はしていないものの「早くから専門的なスキルや知識を身に付けて将来に活かしたい」と考える人も、通信制高校に通っています。漫画やアニメーションの技術を学びたい人、ファッションデザイナーやネイリストになるために検定・資格試験の勉強をしたい人などがその一例です。

不登校の経験があるけれど高校では勉強を続けたい

「これまで不登校だったけれど、高校にはきちんと行って勉強したい」という理由です。中学校で集団生活になじめなかったり、いじめを経験したりした人にも、通信制高校は選ばれています。

例えば、全日制高校では、毎日登校して同じクラスの人と一日中学校生活を共にするため、「クラスの中で早くしっかりした友人関係を作らないと浮いてしまう」と心配する人もいるでしょう。これに対して、通信制高校は基本的に毎日登校するわけではなく、スクーリングのときにも、さまざまな背景(仕事、将来の夢、心身の悩みなど)を持った人と一緒に授業を受けます。そのため、「無理に友だちを作らないといけない」という雰囲気はなく、むしろ、ゆっくりと自然に友だちを作ることが可能です。

また、明聖高校のように、少人数で指導を受けられる個別学習室を利用しながら、少しずつ集団生活に慣れていくことができる通信制高校もあります。

人間関係や学習の悩みをリセットしてやり直したい

「通っている高校の雰囲気や人間関係が合わなかったり、学習が遅れて原級留置(留年)しそうになったりしているけれど、環境を変えて高校生活をやり直したい」という理由です。

通信制高校には、別の高校に在籍している途中で「転入」したり、別の高校を中途退学して通信制高校に「編入」したりする人も多くいます。転入・編入の制度を活用すれば、前の高校の在籍期間と合わせて、最短3年で卒業することが可能です。新しい環境で、悩みをリセットして高校卒業を目指すことができます。

仕事や子育てをしながら高卒資格を取得したい

「一度は学業から離れたものの、長期的なキャリアを見据えて、高卒資格を取りたい」という理由です。すでに働いていたり、家庭を持って子育てをしたりしている人で、通信制高校に入学するケースも珍しくありません。

通信制高校は自主学習を中心に学習を進めるため、全日制・定時制高校よりも通学の負担が少なく、日中に仕事や育児、家事をしている人でも卒業を目指しやすくなっています。また、通信制高校の入試では学力検査がない場合もあるため、再スタートへのハードルが低くなっているのも選ばれる理由です。

先輩たちの決め手!通信制高校に通う2大メリット

これら以外にも、先輩たちが通信制高校を選んださまざまな理由を見てみると、多くの人が共通して次の2点に注目しています。先輩たちの決め手となった通信制高校のメリットを具体的に見ていきましょう。

自分のリズムで高校生活を過ごせる

通信制高校の学習スタイルは自主学習がメインです。そのため、自分の都合のいいタイミングで学習することができます。

例えば、日中に仕事や夢に向けたトレーニングがある人は、早朝や夜に学習することが可能です。また、ある週に心や体の調子がよくなく、なかなか学習ができなくても、次の週以降に集中して学習できるなど、学習のタイミングに融通が利くのが特徴です。

さらに、最近では、インターネットで自主学習ができる通信制高校もあり、自宅だけでなく、通勤中や仕事・トレーニングの合間などでも学習しやすくなっています。

自由な時間を多く確保できる

高校の学習に拘束される時間が少ないのも通信制高校のメリットです。

例えば、毎日登校して授業を受ける全日制高校では、通学中や学校にいる時間にはそれ以外の活動は基本的にできず、1日・1週間のほとんどの時間を学校生活に費やすことになります。

これに対して、通信制高校では、仕事や夢に向けた活動をメインにした高校生活を過ごすことが可能です。登校頻度(スクーリング回数)が週1回未満という通信制高校も多く、授業に拘束される時間が圧倒的に少なくなります。また、予習・復習や宿題を毎日する必要もありません。さらに、試験(単位認定試験)も年1回程度と少ないため、試験の負担も少なくなっています。

自分自身で学習時間を管理しなければならない側面はありますが、うまく自己管理ができれば、自分のために自由に使える時間を多く確保することができるのです。