「本当の自分がわからない」と悩んでいる人は、なにがわからないのかはっきり答えられるでしょうか?「長所がわからない」「趣味がわからない」など、さまざまなタイプがあります。
 
なにがわからないのかをはっきりさせ、対処法を試してみると、自分がわかってくるでしょう。
 
今回は、自分がわからない原因と対処法を解説します。自分を知るコツも紹介するので、自分をもっとよく知りたい人は、最後までお読みください。

自分がわからないのはなぜ?考えられる原因

周りに合わせすぎたり自分の考えをいえなかったりすると、自分がわからなくなることがあります。
 
わからないからといって、焦らなくても大丈夫です。
 
ここでは、大丈夫な理由と自分がわからなくなる原因を解説します。

自分がわからなくても大丈夫

中高校生にとって、自分がわからないのは自然な状態です。
 
アメリカのデーモンとハートの研究では、年齢を重ねるなかで自分がわかるようになるといわれています。
 
例えば、幼い頃は「自分の髪は黒い」のように、目で見てわかることから自分を理解します。成長するにつれて「自分は他人よりも足が速い」と他人と比較し、「自分は足が速いから認められている」と他人との関係性のなかで理解していくのです。
 
最終的には、自分の持つ信念や考え方をもとに「わたしは公平な考え方を持つ人間だ」といえるまでに成長します。
 
ただし、成長した大人でも、ときどき自分がわからなくなることがあります。わからないと思ったときは、ゆっくり自分と向き合い、見つめ直してみましょう。

自分がわからなくなる原因

本当の自分がわからなくなってしまう原因には、以下が考えられます。

● 本当の気持ちを話して否定されるのが怖い
● 周りの人に合わせすぎる
● 人目が気になる
● 考えすぎる傾向がある
● やりたいことをやれない
● 常に忙しく、やるべきことが多い

自分の本心を話せる場面が少ない人や、自分と向き合う時間を割けない人は、本当の自分を見失ってしまう傾向があります。

自分がわからないときの対処法【パターン別】

自分がわからないときは、以下に沿って自分と向き合ってみてください。

● 自分の長所・性格(キャラクター)がわからないとき
● 自分の考え・価値観がわからないとき
● 自分の趣味がわからないとき
● 自分が将来なにをしたいかわからないとき
● 自分が幸せかどうかがわからないとき

ここでは、各パターンでの対処法を解説するので、一緒に考えてみましょう。

自分の長所・性格(キャラクター)がわからないとき

自分の長所や性格(キャラクター)がわからない人は、以下のように本当の自分を出せない状態が続いているのかもしれません。

● 他人が望むキャラクターを演じてしまう
● 無理に明るく振る舞ってしまう
● 「優しいね」といわれるが、自分ではそう思わない
● 本当の自分を出すと嫌われるのではないかと怖くなる

簡単な性格診断ツールを使ってみると、楽しみながら自分の長所や性格を見つめ直せます。

診断ツール 説明
のびしろ診断 9つのタイプから自分の性格傾向とのびしろがわかる
志士タイプ診断 幕末の志士タイプから長所と向いている仕事がわかる
ポテンシャル発掘診断 9つのタイプから自分の性格傾向や長所がわかる
スキルチェック 自分の長所がわかる

ただし、性格診断は大まかに性格を分類するものであり、100%あてはまるわけではないため、あくまで参考程度に留めておきましょう。
 
性格診断をやってみて、自分の長所や性格がわかってきたら「わたしは、」のあとに自分がどのような人かを書き出してみてください。

● わたしは、周りの目が気になってしまう
● わたしは、約束を必ず守る
● わたしは、一度決めたら最後までやり抜く

性格診断の質問に沿わず、思いついた内容を書いても大丈夫です。あまり深く考えすぎず、思いつくままに書きましょう。
 
書き終えたら、全体を見て「新しく知った自分」や「以前と変わった自分」など、気付いたことを整理してみてください。自分の長所や性格が、少しずつわかってくるはずです。

自分の考え・価値観がわからないとき

自分の考えや価値観がわからなくなるときは、その度に整理することが大切です。価値観とは「なにに価値を置くか」という、人ぞれぞれの考え方を指します。
 
例えば「友達と過ごす時間」「部活の時間」など、学校生活で一番価値を感じる時間は人によって違うはずです。
 
違って当然とわかっているものの、学校にいると「みんなと同じじゃなければならない」「自分だけ違うと嫌われてしまうかも」と思うこともあるでしょう。
 
他人に合わせてばかりいると、自分の考えや価値観がわからなくなってしまいます。
 
自分の考えや価値観を整理する際は、厚生労働省が提供する「価値観診断」に挑戦してみましょう。本来は、仕事選びに活用するツールですが、仕事を学校に置き換えることで、中高生でも活用できます。
 
また、以下の質問項目に対して、あてはまらない場合を0%、あてはまる場合を100%とし、割合を書き出してみると、考えや価値観が見えてくるはずです。

● わたしは優秀だ
● わたしはなんでも挑戦できる
● わたしは幸せな人生を過ごしたい
● わたしは他人と気持ちをわかり合える
● 自分の意見は主張すべきだ
● 人は信じられる存在だ
● 自分のしたいことをするべきだ
● 自分の弱さを見せても大丈夫だ
● わたしは人よりも劣っている
● わたしには取り柄がない
● わたしの人生はうまくいかないだろう
● 本当のわたしをだれもわかってくれない
● 周りの意見に合わせたほうがよい
● 人は信じられない
● 親の意見を聞かなければならない
● 人に弱さを見せてはいけない

100%に近い項目ほど、あなたの考えや価値観に近いといえます。
 
ただし、上記だけですべてを理解できるわけではありません。
 
ふとしたときに思い浮かぶ「〇〇すべき」「〇〇してはいけない」などの考え方も記録しておくとよいでしょう。対処法を試すうちに、自然と考えや価値観が明らかになるはずです。

自分の趣味がわからないとき

自分の趣味がわからないときは、熱中できるものが見つかってない可能性があります。「休みの日になにをしたらよいかわらない」「忙しすぎて自分の時間がない」などは、自分の趣味がわからない人の傾向です。
 
総務省統計局の「社会生活基本調査トピックス-小・中・高校生の「趣味・娯楽」」を参考に、趣味の一覧表を作成しました。
 
各項目を見ながら「楽しそうと思えるもの」「やったことがあり楽しかったもの」はないか、探してみてください。

● テレビゲーム
● トランプ
● ボードゲーム
● パズル
● 遊園地や動物園
● キャンプ
● ゲームセンター
● カラオケ
● 音楽鑑賞
● 映画鑑賞
● 動画視聴
● ドライブ
● スポーツ観戦
● 読書
● 料理やお菓子づくり
● ペットの世話
● 楽器の演奏
● スポーツ

興味を引くものがあれば、趣味につながる可能性があります。ない場合は、できそうなものから挑戦し、見つけていくとよいでしょう。
 
自分が好きなことを書き出しているうちに、趣味が見つかることもあります。また、お家の人や友達の趣味を一緒にやってみるのも手です。
 
はじめての挑戦では、うまくいかないこともあるでしょう。最初から「どうせできない」と決めつけず、魅力を見つけるつもりで挑んでみると新しい発見があるはずです。

自分が将来なにをしたいかわからないとき

「将来なにをしたらよいかわからない」ときは、さまざまな仕事を知ったうえで、自分に合ったものを選ぶのが大切です。
 
まずは、厚生労働省が提供する自己診断ツールを使ってみましょう。

診断ツール 説明
職業興味検査 どのような仕事に興味があるかを整理できる
職業適性テスト(Gテスト) 能力から自分に合った仕事を見つけられる
興味診断 6タイプから自分の興味・関心と職業がわかる

自己診断ツールを使って、自分の特徴とさまざまな職業を知ると、選択肢が広がります。数々の仕事から、興味を引くものや自分の価値観に合うものを探してみてください。

自分が幸せかどうかがわからないとき

自分が幸せかどうかがわからないときは、幸せレベルを設定し、なにに幸せを感じるかを明らかにする方法があります。
 
一番幸せな状態を10レベル、幸せではなく、なにもかもが嫌になる状態を1レベルとします。10レベルのとき、どのような状態であるかを考えてみてください。
 
次に、10レベルと比較して、現在はどのレベルか確認してみましょう。
 
例えば、現在が3レベルであれば、なぜそのレベルになったのか理由を考えます。
 
このように幸せレベルを探っていくと、今の自分が今幸せかどうか、どうやったら幸せになれるかが見えてくるはずです。

ゆっくり向き合って自分を知るコツ

本当の自分を知るためには、以下の方法を通じて、ゆっくり自分と向き合う必要があります。

● 気持ちや考えを書き出す
● 信頼できる人に聞く・話す

一人だとマイナスなことばかり考えてしまう人は、信頼できる人と話しながら自分を見つけていくとよいでしょう。
 
学校で同年代の人と過ごすなかで、どうしても自分がわからなくなってしまう人は、他人と適度な距離を保てる環境で、マイペースに過ごす時間が必要です。
 
明聖高校では、心の専門家であるカウンセラーが常駐し、みなさんの悩みを聞ける体制を整えています。カウンセラーと話しながら、ゆっくりと自己理解を進めることも可能です。
 
WEBコースであれば、同級生と適度な距離を保ちながら、自分のペースで学習を進められます。
 
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