通信制高校は、時間の融通が利きやすく、じっくり自分のペースで学習を進められる自由度の高さが特徴です。一方で、自由だからこそ、卒業後の進路や高校生活についてよく考えておく必要があるといえます。
今回の記事では、通信制高校における生徒の卒業後の進路と、希望の進路を実現するためにやっておきたいことについて考えます。

通信制高校卒業後の進路事情は?進学・就職以外にさまざまな夢を目指す卒業生も
文部科学省の調査によると、通信制高校卒業者の進路は以下のようになっています。

<通信制高校卒業者の進路>
専修学校(専門課程)進学 …21.2%
大学等進学 …18.5%
就職 …19.6%
(その他 …40.7%)
(「平成30年度学校基本調査」)

専修学校や大学などに進学した人は全体の約4割、就職は約2割で、通信制高校卒業者の約6割が進学か就職のいずれかの道に進んでいることがわかります。

一方で、進学も就職もしていない「その他」の割合も約4割を占めています。全日制では11.3%、定時制でも28.6%しかいない「その他」が約4割にものぼるのは、通信制高校の特徴といえるでしょう。

この「その他」は、必ずしも消極的な状況だけを指しているわけではありません。例えば、この中には通信制高校を卒業後、芸能活動を仕事にすることを目指し、アルバイトをしながらレッスンやオーディションを受けているといった人も多く含まれています。通信制高校を卒業してすぐに就職・進学していなくても、夢の実現を目指して前向きに進んでいる人はたくさんいます。

通信制高校の卒業生には、進学や就職を含むさまざまな進路を実現したり、その実現に向けて努力したりしている人が多くいると考えるのがよいでしょう。

就職と進学、それぞれの進路で意識しておきたい通信制高校生活

進路の選択肢が幅広い通信制高校ですが、その分、自分自身で将来を見据え、目標の実現に向けて計画を立てる必要があります。
ここでは、就職と進学、それぞれの進路を目指すにあたって気を付けておきたいポイントを見ていきましょう。

就職したい人の通信制高校生活

就職を希望する場合は、まず、入学時や在学中に、どのような仕事に就きたいのかをよく考えましょう。そして、希望する仕事で必要なスキルがあれば、できるだけ在学中の取得を目指すのが得策です。

例えば、事務関係ならパソコンや簿記、電卓などのスキルが重宝されます。理美容やアパレル関係なら、カラーコーディネートやアロマ、ネイルやメイクなどのスキルを身につけておくのもよいでしょう。
通信制高校では時間の融通が利きやすいため、学校の学習と並行して資格取得のための勉強をすることもできます。資格はスキルの客観的な証明になりますから、計画的に取得するのがおすすめです。

また、アルバイトやボランティア活動など、社会性を育てられるような経験も役立ちます。仲間と協力し、責任を持って仕事・活動に取り組んできたことをアピールできるでしょう。
さらに、部活動などの課外活動にも、可能な範囲で積極的に取り組んでおきたいところです。目標に向かって打ち込んだ経験やそこから得た忍耐力、友人たちとの交流で培ったコミュニケーションスキルなどをアピールできるようになります。

進学したい人の通信制高校生活

進学を目指す場合は、まず十分な学力を身につけていく必要があります。
卒業要件になっている単位の修得だけを目指すのではなく、受験を視野に入れて日々の学習に取り組むことが大切です。教科書や学校で使用している参考書だけでなく、志望大学・専門学校の入試に特化した教材を活用したり、場合によっては塾・予備校に通ったりすることも検討するとよいでしょう。

また、2020年からは大学入試の制度が大幅に変わります。適切な対策を取れるよう、最新の入試情報についても日ごろからチェックしておきたいところです。

さらに、近年増加傾向にあるAO入試(アドミッション・オフィス方式)では、課外活動など学力以外の部分も重視されますから、部活動やボランティア活動などにも積極的に参加しておくのがよいでしょう。

卒業後に夢をかなえるために。進路サポートの充実した通信制高校を選ぼう

学校の進路サポートを受けることができれば、希望の進路を実現できる可能性はぐんと高まります。特に通信制高校では学校によってサポート体制が大きく異なるため、学校選びの段階で、すでに進路選択が始まっているともいえるでしょう。

例えば、明聖高校では手厚い就職・進学サポート体制が整えられています。代表的な取り組みのひとつが「進路対策ウィーク」と呼ばれる進路指導プログラムです。明聖高校の先生だけでなく、進路指導関係の外部講師も中心となって実施しているプログラムで、生徒は一週間かけてじっくりと自分の将来について考えられます。
プログラムは、進路を考える入り口となる適正検査や、進路の選び方のポイント・注意点に関する指導のほか、就職にも進学にも役立つ「逆算して進路を考える、人間力を高める講座」や自己PR練習など、盛りだくさんの内容で構成されています。

また「進路対策ウィーク」以外でも、進路別に特化した進路指導が行われています。

  • <就職試験指導の例>
  • ・就職相談
  • ・企業研究
  • ・履歴書の書き方指導
  • ・一般常識&マナー対策
  • ・小論文、作文対策
  • ・面接試験対策
  • ・企業体験(職場体験)
  • ・ハローワーク求人票と学校独自求人票の紹介
  • など

  • <大学・短大受験指導の例>
  • ・進路相談
  • ・基礎学力から応用力まで育成
  • ・指定校推薦対策
  • ・AO入試対策
  • ・一般入試対策
  • ・小論文、作文対策
  • ・面接試験対策
  • など
  • <専門学校受験指導の例>
  • ・進路相談
  • ・指定校推薦対策
  • ・AO入試対策
  • ・一般入試対策
  • ・一般常識&マナー対策
  • ・小論文、作文対策
  • ・面接試験対策
  • など

いずれも、より具体的に目標を持つところから、その目標を実現するための指導までがセットになっているのが特徴です。また、卒業後も進路相談に応じてもらえます。

これらの進路サポートを受けた明聖高校の卒業生たちは、多方面で活躍しています。国立・公立・私立の有名大学や、IT・医療・教育・デザイン・マスコミなどさまざまな分野の専門学校への進学、事務・販売・福祉・公務員など幅広い業界への就職など、実績は豊富です。

このように、就職希望者も進学希望者もしっかりサポートを受けられる体制が整っており、確かな就職・進学実績を持つ学校を選ぶのがよいでしょう。