大学進学を希望する方にとって、大学進学のしやすさは高校選びの重要な問題ですよね。特に通信制高校への入学を検討している場合は「全日制高校よりも大学進学が難しいのではないか」と不安に感じる方もいるのではないでしょうか。
ここでは、通信制高校と全日制高校で大学進学の有利/不利の違いはないのか、通信制高校でも大学進学に向けた授業やサポートは受けられるのかなど、実際のデータをもとに通信制高校からの大学進学について解説していきます。

通信制高校に通う受験者は大学入試で不利になることはあるの?

結論からいえば、大学入試の際、通信制高校の生徒だからといって全日制高校に通う受験者よりも不利になることはありません。

出身高校の知名度で入試の合否が決まることはありませんよね。調査書で見るのは高校在学中の学習成績や検定試験の成績、課外活動の状況などであって、高校の知名度でふるいをかけているわけではないからです。
それと同様に、全日制高校と通信制高校との間に有利/不利はありません。

そもそも、通信制高校は学校教育法で定める高校の課程のひとつ(第45条)で、
高校卒業の資格に全日制と通信制の差異はありません。したがって、大学側が通信課程であることを理由に入学できないことはありません。

通信制高校の大学進学率は2割弱。その2つの理由とは

とはいえ、実際のデータを見ると、卒業生の大学進学率は通信制高校と全日制高校で異なっていることがわかります。

「平成30年度 学校基本調査」によると、全日制・定時制高校の大学等進学率は54.7%であるのに対し、通信制高校の大学等進学率は18.5%です。この進学率の差については、いくつかの理由が考えられます。

進学希望者数の違い

まず、通信制高校で学習している人のうち、約3割は働きながら高校に通っていることが調査からわかっています(「高等学校定時制課程・通信制課程の在り方に関する調査研究」)。経済的に自分で学費を稼ぐ必要のある人もいれば、すでに就職して生活が落ち着き、昔学べなかったことを学びたいと勉強している人もいるでしょう。さらに、夢をかなえるために通信制高校と並行して専修学校に通ったり、スポーツや芸能活動に打ち込んだりしている人もいます。このような多様な背景があるため、そもそも大学進学を希望していない人も相当数いると考えるのが妥当でしょう。実際に同じ調査結果を見ると、通信制高校の卒業後に大学・短期大学へ進学したいと考えている生徒は約20%にとどまっており、通信制高校の進学率の低さと関係していることがわかります。

カリキュラムの違い

通信制高校は、人間関係の悩みや経済的な事情、通学以外に使いたい時間があるなど、どのような背景を持った人でも高卒資格の取得に向けて学習しやすいように設計されています。そのため、全日制高校のいわゆる進学校のように、学校全体として大学進学に特化したカリキュラムが組まれている高校はあまり見られませんし、大学進学を目指すコースが設けられている高校もそれほど多いとはいえません。
そういった通信制高校の特色も進学率の差に反映されていると考えられます。

以上のように、通信制高校の進学率が全日制高校よりも低いことには、通信制高校における大学進学を希望する人数や、通信制高校のカリキュラムが関係しているといえるでしょう。

大学進学をサポートしてくれる通信制高校をチェックしよう

これらのことを踏まえると、通信制高校から大学進学を希望する場合は、大学進学に向けた授業やサポート体制のある通信制高校を選ぶか、自分自身で大学進学用にプラスαの学習をするかのどちらかが必要だとわかります。

近年では、大学進学のサポートを充実させた通信制高校もよく見られるようになってきました。
例えば、明聖高等学校では、中学までの基礎学力をつけたうえで、大学進学を目指せる応用力を身につけられるカリキュラムが整っています。学習の定着度を定期的に測れる機会もあるため、学力に自信がなかったり、これまで学習の仕方がわからなかったりした人でも、大学進学を目指すことが可能です。
また、AO入試や小論文・作文、面接の対策も充実しており、さまざまなタイプの入試に備えられます。指定校推薦枠も多数あり、高校での成績を活かして大学進学を目指すことも可能です。進路相談も受け付けているなど、一般的な全日制高校以上に手厚くサポートが受けられます。

学校側のサポート体制さえあれば、少人数制で基礎からしっかりフォローしてもらえる通信制高校は、大学進学を目指すうえでおすすめだといえるでしょう。