通信制高校に入学するにあたって、「友達はできるかな?」と不安に思う人は多いでしょう。登校や授業のスタイルが中学までと違うこともあり、気がかりなこともあると思います。今回は、通信制高校で友達ができるのかといったことや、友達を作るコツについてご紹介しましょう。

結論から言うと、通信制高校でも友達はできます。

大半の通信制高校と、中学や全日制高校との違いのひとつが、学年やクラスがないことです。通信制高校のほとんどは単位制で、選択授業も多いため、授業によって毎回出席している生徒が変わるということも多くなっています。そのため、大勢の友達を作るのは難しいかもしれません。ですが、「友達を作りたい!」と思って行動すれば、親しい友達を作ることはできます。

通信制高校で友達を作ろうとするときには、次のポイントを押さえましょう。

明るく思いやりのある人は友達ができやすい

通信制高校に限らず、全日制高校でも、大学生や社会人になっても、次のような人は友達ができやすい傾向にあります。

  • ・明るく笑顔の多い人
  • ・あいさつのできる人
  • ・悪口を言わない人
  • ・人の気持ちを考えられ、感謝できる思いやりのある人
  • ・悪い嘘をつかない人

まずはこの5つを意識することで、友達作りのハードルが下がるでしょう。

自分らしさを大切にして

こちらも全般的に言えることですが、友達を作る際には、自分らしさを大切にすることが第一です。「人にどう見られているかが不安」「嫌われてしまったらどうしよう」と思うことは誰でもあります。ですが、自分の気持ちに嘘をついて、「人に好かれるような自分」を演じたまま友達を作ってしまうと、せっかく友達といるのに窮屈な思いをして楽しめません。

ありのままの自分を受け入れてくれる友達はきっと見つかります。そしてそのような友達と過ごした経験は、一生の宝物になるはずです。

不登校やいじめの経験があっても心配しないで

中学などで不登校だったり、いじめに遭ったりした人でも、通信制高校で友達を作ることは十分可能です。通信制高校には、そのような経験を持つ人が多く入学してきます。同じ経験をしたからこそ、わかり合えることも多いでしょう。不登校やいじめの経験から自分を卑下せず、前向きに友達を作ろうと思うことが大切です。

無理をして友達を作らなくても大丈夫

もし、友達がなかなかできなくても、焦って無理に友達を作る必要はありません。特に通信制高校では、あえて友達を作らないという人も多くいます。

先ほども書いたように、通信制高校にはクラスがなく、教室での人の入れ替わりが激しいため、「休み時間に教室の端で独り取り残される」「自分だけ一緒にお弁当を食べる人がいない」といったことがあまりありません。また、仕事や家事・育児と学習を両立させながら通信制高校に通っている人も多く、そのような人のなかには「限られた時間のなかで勉強して、絶対に高卒資格を取りたいから、たとえ友達ができなくても、休憩時間を惜しんで勉強するんだ」のように考えている人もいます。

自分のペースで、「本当に気の合う友達が見つかればいいな」くらいの気持ちで、友達を作るようにするといいでしょう。

通信制高校で友達を見つけやすくする3つの方法

スクーリングが少なく、クラスもほとんどない通信制高校で友達になれそうな人を見つけるためには、ちょっとした工夫も必要です。ここでは、通信制高校で友達を見つけやすくする3つの方法をご紹介しましょう。

高校選びを工夫する

高校生活で友達を作ることを重視したい場合は、友達を作りやすい通信制高校を選ぶとよいでしょう。

スクーリングが多い学校を選ぶ

「週5日登校」「受けたい授業があれば週1日から自由に登校できる」など、スクーリングが多い通信制高校では友達が作りやすいことがあります。また、合宿形式でスクーリングが行われている通信制高校では、何日も朝から晩まで共に時間を過ごした仲間と、距離を縮められるでしょう。

将来の夢につながるコースのある学校を選ぶ

通信制高校のなかには、将来の仕事につながる学習ができるコースを設置しているところも多数。コースの種類は、「美容」「IT」「保育」「スポーツ」「音楽」「調理」など多岐にわたります。同じ職業を目指す人とは、夢を語り合ったり、資格の取得に向けて励まし合ったりするなかで、友達になりやすいでしょう。

スクールライフのなかで工夫する

高校生活のなかで友達を作る機会を増やしたい場合は、次のような工夫をしてみましょう。

被っている授業が多い人を意識してみる

ほとんどの通信制高校では、必修授業以外に多くの選択授業があります。友達を作るときには、そうした選択授業も含めて、一緒に授業を受けることの多い人と近づけるよう、意識してみるのがおすすめです。同じ授業を受けていることが多いと、共通の話題が増え、勉強でわからないところがあるときは教え合うこともできます。なかには、グループワークやゼミ形式など、生徒同士が交流できる授業を取り入れている学校もあるので、積極的に機会を活かしてみるといいでしょう。

学校行事に参加する

通信制高校によっては、学校行事に参加できることもあります。遠足、文化祭、体育祭、ボランティア活動など、行事の種類は学校によってさまざまです。なかには、修学旅行に参加できる通信制高校もあります。楽しい時間を共有できた人たちとは、友達にもなりやすいでしょう。

部活動をする

部活動のある通信制高校も多く見られます。部活動の種類は、体育系ではサッカー、硬式野球、バスケットボールなど、文化系では吹奏楽、写真、イラストなど。部員同士で共通の趣味の話が盛り上がるだけでなく、互いに切磋琢磨したり、励まし合ったりできます。

通信制高校の外でも友達を作る

通信制高校の外でも、友達を作る機会はたくさんあります。

サポート校

サポート校とは、通信制高校に在籍している生徒が、3年間で卒業ができるように学習をサポートしてくれる教育施設です。スクーリングのない日でも定期的に会える同級生がいるため、友達を作りやすいと言えます。

アルバイト

スクーリング日数が少ない通信制高校の場合は、自由に使える時間が多いため、アルバイトがしやすいのが特徴です。全日制高校の生徒と比べ、働ける日数が多く、時間も長いので、アルバイト仲間と接する機会が多くあります。仕事というチームワークのなかで、友情をはぐくむことができるでしょう。